入賞者披露演奏会(東京文化会館)

2015.12.11|オフィシャルレポート

12月8日、第9回浜松国際ピアノコンクールのフィナーレを飾る東京文化会館での入賞者披露演奏会が行われました。


入賞者はこの日の朝浜松を発ち、東京に向かいました。今回の入賞者は、6人それぞれ個性的で自由なキャラクターながらとても仲がよく、なんだかとっても楽しそうです。
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新幹線での移動、到着してからのランチや上野散策などを経てその仲はますます深まったようで、本番を待つ楽屋はとてもにぎやか!
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ムーサさん練習中の部屋にみんなで入って連弾が始まるという一コマも。明るい笑いが絶えない楽屋に、通りすがりのホール関係者の方が「今日はずいぶんにぎやかだね......」とつぶやいていました。
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そして迎えたガラコンサート本番。うってかわってみんな真剣な表情でステージに立ちます。客席では、ネット配信でコンクールを追ってきた方、予選の一部を浜松に聴きに来ていた方など、東京のたくさんのピアノファンが演奏に耳を傾けました。
奏者によってピアノメーカーを変えていたこれまでのステージと違い、この日は優勝したガジェヴさんが使用していたカワイのピアノを全員が演奏します(浜松で使用していたものとは別の楽器)。同じピアノで6人の音を聴き比べられるのも、東京公演の一つの楽しみです。
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フロリアン・ミトレアさん(第4位)の弾くプロコフィエフのピアノソナタ第6番第1楽章からは、東京文化会館小ホールという細かなニュアンスがはっきりとわかるホールで聴くと、また違った発見もありました。つややかな質感、ざらざらとした質感、冷たい質感など、音の質感がより細やかに感じられます。多彩な音を楽しみながら、彼の繊細な表現力を改めて知ることができました。
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ダニエル・シューさん(第3位)のブラームス、インテルメッツォOp.117は、カワイの丸みのある音で聴くと、これもまた違った深みが感じられます。消え入りそうな音から感情豊かに語りかける音まで、自然な起伏をもって流れてゆく音楽が、この2週間半の祭典との別れを惜しむように聴衆を包みこみます。静かにその想いを分かちあう気持ちで聴き入りました。
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アレクサンダー・メリニコフさん(第3位)は、すでに演奏経験のあるピアニストらしく、ホールの響きを充分に活かし、丁寧な表現で音楽を紡いでいきます。落ち着いた色彩の音で奏でられる美しいシューベルトの即興曲から、スクリャービンの前奏曲では一転、オーロラのようなやわらかく華やぎのある色の音を奏で、見事な対比を楽しませてくれました。
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アレクシア・ムーサさん(第3位)は、先日のアクトシティ大ホールとはまた違った表現で、ハイドンのピアノソナタHob.XVI:50を演奏。その日の会場、聴衆の雰囲気、そして自分の気持ちで自由自在に音楽を創ってゆくピアニストなのだということを、改めて感じます。この日はなめらかな女性らしさを感じさせるタッチで、美しいハイドンを聴かせました。
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ローマン・ロパティンスキーさん(第2位)は、厚みのある音で堂々としたハイドンのピアノソナタHob.XVI:32を演奏。続くチャイコフスキー/フェインベルク編の交響曲第6番「悲愴」より「スケルツォ」は、これまで3度聴いてきたなかでもっとも音の幅の広さを感じる気持ちよい演奏。フィナーレの力強いメロディを聴衆の脳裏に焼き付けました。
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そして、最後に優勝者のアレクサンデル・ガジェヴさんがショパンのピアノソナタ第2番を演奏。彼もまた、冒頭からやはり前日とは異なる音楽を展開。本当に自由で創造的なピアニストです。上等なレースのようなふんわりとした質感の音を多用する1楽章に始まった音楽が、3楽章の葬送行進曲のクライマックスで大胆にクレッシェンドしていく様を聴き、音楽を頭の中で緻密に組み立て、しかしその場でためらいなく別のことを試していく彼のクリエイティブな能力に感じ入ります。演奏が終わるやいなや大きな拍手が起こり、東京の聴衆もまた、この新しく誕生したスターのすばらしい才能をたたえました。
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1次からファイナルまで、約2週間にわたって繰り広げられたコンクールのステージ。6人の入賞者はじめ、さまざまなピアニストが印象に残る数々の素敵な演奏を聴かせてくれました。
コンクールは幕を閉じましたが、私たちがこれからも心を動かされた演奏を記憶に刻み、好きだと思ったピアニストの活動を積極的に応援していくことは、今後の彼らの活躍を支えることになるでしょう。それによって、コンクールの意義はより豊かなものになるはずです。
ピアニストたちの今後の輝かしい活躍を祈りつつ、そのすばらしい演奏との再会を楽しみに待ちたいと思います。
文・高坂はる香
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2015.12.11
入賞者披露演奏会(東京文化会館)
12月8日、第9回浜松国際ピアノコンクールのフィナーレを飾る東京文化会館での入賞者披露演奏会が行われました。


入賞者はこの日の朝浜松を発ち、東京に向かいました。今回の入賞者は、6人それぞれ個性的で自由なキャラクターながらとても仲がよく、なんだかとっても楽しそうです。
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新幹線での移動、到着してからのランチや上野散策などを経てその仲はますます深まったようで、本番を待つ楽屋はとてもにぎやか!
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ムーサさん練習中の部屋にみんなで入って連弾が始まるという一コマも。明るい笑いが絶えない楽屋に、通りすがりのホール関係者の方が「今日はずいぶんにぎやかだね......」とつぶやいていました。
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そして迎えたガラコンサート本番。うってかわってみんな真剣な表情でステージに立ちます。客席では、ネット配信でコンクールを追ってきた方、予選の一部を浜松に聴きに来ていた方など、東京のたくさんのピアノファンが演奏に耳を傾けました。
奏者によってピアノメーカーを変えていたこれまでのステージと違い、この日は優勝したガジェヴさんが使用していたカワイのピアノを全員が演奏します(浜松で使用していたものとは別の楽器)。同じピアノで6人の音を聴き比べられるのも、東京公演の一つの楽しみです。
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フロリアン・ミトレアさん(第4位)の弾くプロコフィエフのピアノソナタ第6番第1楽章からは、東京文化会館小ホールという細かなニュアンスがはっきりとわかるホールで聴くと、また違った発見もありました。つややかな質感、ざらざらとした質感、冷たい質感など、音の質感がより細やかに感じられます。多彩な音を楽しみながら、彼の繊細な表現力を改めて知ることができました。
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ダニエル・シューさん(第3位)のブラームス、インテルメッツォOp.117は、カワイの丸みのある音で聴くと、これもまた違った深みが感じられます。消え入りそうな音から感情豊かに語りかける音まで、自然な起伏をもって流れてゆく音楽が、この2週間半の祭典との別れを惜しむように聴衆を包みこみます。静かにその想いを分かちあう気持ちで聴き入りました。
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アレクサンダー・メリニコフさん(第3位)は、すでに演奏経験のあるピアニストらしく、ホールの響きを充分に活かし、丁寧な表現で音楽を紡いでいきます。落ち着いた色彩の音で奏でられる美しいシューベルトの即興曲から、スクリャービンの前奏曲では一転、オーロラのようなやわらかく華やぎのある色の音を奏で、見事な対比を楽しませてくれました。
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アレクシア・ムーサさん(第3位)は、先日のアクトシティ大ホールとはまた違った表現で、ハイドンのピアノソナタHob.XVI:50を演奏。その日の会場、聴衆の雰囲気、そして自分の気持ちで自由自在に音楽を創ってゆくピアニストなのだということを、改めて感じます。この日はなめらかな女性らしさを感じさせるタッチで、美しいハイドンを聴かせました。
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ローマン・ロパティンスキーさん(第2位)は、厚みのある音で堂々としたハイドンのピアノソナタHob.XVI:32を演奏。続くチャイコフスキー/フェインベルク編の交響曲第6番「悲愴」より「スケルツォ」は、これまで3度聴いてきたなかでもっとも音の幅の広さを感じる気持ちよい演奏。フィナーレの力強いメロディを聴衆の脳裏に焼き付けました。
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そして、最後に優勝者のアレクサンデル・ガジェヴさんがショパンのピアノソナタ第2番を演奏。彼もまた、冒頭からやはり前日とは異なる音楽を展開。本当に自由で創造的なピアニストです。上等なレースのようなふんわりとした質感の音を多用する1楽章に始まった音楽が、3楽章の葬送行進曲のクライマックスで大胆にクレッシェンドしていく様を聴き、音楽を頭の中で緻密に組み立て、しかしその場でためらいなく別のことを試していく彼のクリエイティブな能力に感じ入ります。演奏が終わるやいなや大きな拍手が起こり、東京の聴衆もまた、この新しく誕生したスターのすばらしい才能をたたえました。
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1次からファイナルまで、約2週間にわたって繰り広げられたコンクールのステージ。6人の入賞者はじめ、さまざまなピアニストが印象に残る数々の素敵な演奏を聴かせてくれました。
コンクールは幕を閉じましたが、私たちがこれからも心を動かされた演奏を記憶に刻み、好きだと思ったピアニストの活動を積極的に応援していくことは、今後の彼らの活躍を支えることになるでしょう。それによって、コンクールの意義はより豊かなものになるはずです。
ピアニストたちの今後の輝かしい活躍を祈りつつ、そのすばらしい演奏との再会を楽しみに待ちたいと思います。
文・高坂はる香

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