入賞者披露演奏会(アクトシティ浜松大ホール)

2015.12.07|オフィシャルレポート

結果発表から一夜。浜松はすばらしいスターの誕生を歓ぶかのように、朝から爽やかな晴天となりました。

6人の入賞者は、まずアクトシティ浜松大ホールで、そして翌日には東京に移動し、東京文化会館小ホールで入賞者披露演奏会に出演します。

12月7日、アクトシティ浜松大ホールでは、午後からリハーサルが行われていました。そんな合間をぬって、それぞれの結果を受けての気持ち、そして音楽への想いについて、全員に改めてインタビューを行いました。

過去の浜松コンクールを聴いてこられたみなさんはご存知の通り、毎回、若くすばらしい才能が入賞者に選ばれてきましたが、今回は格段に"成熟度"が高いと感じます。それは演奏からももちろん知ることができますが、改めてゆっくり話を聞いてみて、6人全員がすでに、音楽に向き合ううえでの自分なりのスタンスを確立しているピアニストだということを感じました。このインタビューは、順次公式ウェブサイトで公開予定ですので、お楽しみに。


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一人目の奏者は、第4位のフロリアン・ミトレアさん(ルーマニア)。大好きだというプロコフィエフの作品から、ピアノソナタ第6番第1楽章を演奏します。安定感のある確かなタッチで、淡い音、力強い音を自在に繰り出しながら、作品に秘められたさまざまな感情を表現します。会場に響くあたたかい拍手に、ミトレアさんは深い感謝の仕草で応えました。

20151207b31017.JPG


続いては、第3位のダニエル・シューさん(アメリカ)。ブラームスのインテルメッツォOp.117を、持ち前の明るさを持つ音で、しかし内面に抱かれた深い感情をにじませながら奏でます。ホールに響く、心のこもったあたたかい歌。どこまでも優しいなぐさめのような音楽には、若々しさの中にも熟したような落ち着きがあり、彼が最年少18歳での入賞者だということを忘れるほどでした。



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同じく第3位のアレクセイ・メリニコフさん(ロシア)。冒頭は、彼の音楽の美点である憂いのある深く優しい音で、シューベルトの即興曲を奏でます。スクリャービンの前奏曲から第1、2、11、13、14番は、なにも考えず脳に音を染み渡らせたくなるような、不思議な魅力のある演奏。柔らかな音が大ホール2階の後方まで響きます。
こうしてこれまで中ホールで聴いてきた作品を大きなホールで聴き、鳴らされる音の違いを感じられるのも、ガラコンサートのおもしろいところです。



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前半の最後は、同第3位のアレクシア・ムーサさん(ギリシャ/ベネズエラ)。ハイドンのピアノソナタHob.XVI:50という選曲です。古典派のソナタでこんなことも表現できるのよ!といわんばかりの、コロコロと表情を変えながら、語り、歌うような演奏。そして、思わず体を揺らしたくなるような、喜びに満ちた第3楽章。彼女の純粋で自由な感性が発揮された、抑揚豊かな音楽が、聴衆を大いに魅了しました。



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休憩をはさんで、第2位のローマン・ロパティンスキーさん(ウクライナ)が登場。冒頭にハイドンのピアノソナタHob.XVI:32を演奏したあとは、第1次予選で最初に強い印象を残したチャイコフスキー/フェインベルク編の交響曲第6番「悲愴」より「スケルツォ」を演奏。ガラコンサートということで、交響曲が好きで指揮に興味があると語る彼らしい選曲です。ピアノ一台で多彩な音を鳴らしながら、最後は力強く歩みを進めてゆくような、ダイナミックな演奏を披露。会場を大いに沸かせました。


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ガラコンサートの最後を飾ったのは、優勝者のアレクサンデル・ガジェヴさん(イタリア)。第2次予選で演奏したショパンのピアノソナタ第2番「葬送」を、予選時とはまた違った展開で聴かせます。同じフレーズも現れるたびに異なる表情で奏され、豊かなアイデアの持ち主であることが伝わります。大ホールの響きを味わうようにしながら、はかなく繊細な音を鳴らした第3楽章の中間部など、強く印象に残りました。
その場で音楽を生むクリエイティビティ、美しい音を選び出して鳴らすセンス、音楽を大胆に構成する能力をあわせ持つ、優れた才能だということを存分に知らしめる、堂々とした演奏。客席からは新しいスターに、大きな祝福の拍手が贈られました。

最後に6人が揃ってステージに現れると、再び会場は大きな拍手に包まれます。それぞれに個性的で自由な面々は、少しぎこちない様子で顔を見合わせながら揃ってお辞儀をし、浜松の音楽ファンのあたたかい祝福に応えました。



文 ・ 高坂はる香

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2015.12.07
入賞者披露演奏会(アクトシティ浜松大ホール)

結果発表から一夜。浜松はすばらしいスターの誕生を歓ぶかのように、朝から爽やかな晴天となりました。

6人の入賞者は、まずアクトシティ浜松大ホールで、そして翌日には東京に移動し、東京文化会館小ホールで入賞者披露演奏会に出演します。

12月7日、アクトシティ浜松大ホールでは、午後からリハーサルが行われていました。そんな合間をぬって、それぞれの結果を受けての気持ち、そして音楽への想いについて、全員に改めてインタビューを行いました。

過去の浜松コンクールを聴いてこられたみなさんはご存知の通り、毎回、若くすばらしい才能が入賞者に選ばれてきましたが、今回は格段に"成熟度"が高いと感じます。それは演奏からももちろん知ることができますが、改めてゆっくり話を聞いてみて、6人全員がすでに、音楽に向き合ううえでの自分なりのスタンスを確立しているピアニストだということを感じました。このインタビューは、順次公式ウェブサイトで公開予定ですので、お楽しみに。


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一人目の奏者は、第4位のフロリアン・ミトレアさん(ルーマニア)。大好きだというプロコフィエフの作品から、ピアノソナタ第6番第1楽章を演奏します。安定感のある確かなタッチで、淡い音、力強い音を自在に繰り出しながら、作品に秘められたさまざまな感情を表現します。会場に響くあたたかい拍手に、ミトレアさんは深い感謝の仕草で応えました。

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続いては、第3位のダニエル・シューさん(アメリカ)。ブラームスのインテルメッツォOp.117を、持ち前の明るさを持つ音で、しかし内面に抱かれた深い感情をにじませながら奏でます。ホールに響く、心のこもったあたたかい歌。どこまでも優しいなぐさめのような音楽には、若々しさの中にも熟したような落ち着きがあり、彼が最年少18歳での入賞者だということを忘れるほどでした。



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同じく第3位のアレクセイ・メリニコフさん(ロシア)。冒頭は、彼の音楽の美点である憂いのある深く優しい音で、シューベルトの即興曲を奏でます。スクリャービンの前奏曲から第1、2、11、13、14番は、なにも考えず脳に音を染み渡らせたくなるような、不思議な魅力のある演奏。柔らかな音が大ホール2階の後方まで響きます。
こうしてこれまで中ホールで聴いてきた作品を大きなホールで聴き、鳴らされる音の違いを感じられるのも、ガラコンサートのおもしろいところです。



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前半の最後は、同第3位のアレクシア・ムーサさん(ギリシャ/ベネズエラ)。ハイドンのピアノソナタHob.XVI:50という選曲です。古典派のソナタでこんなことも表現できるのよ!といわんばかりの、コロコロと表情を変えながら、語り、歌うような演奏。そして、思わず体を揺らしたくなるような、喜びに満ちた第3楽章。彼女の純粋で自由な感性が発揮された、抑揚豊かな音楽が、聴衆を大いに魅了しました。



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休憩をはさんで、第2位のローマン・ロパティンスキーさん(ウクライナ)が登場。冒頭にハイドンのピアノソナタHob.XVI:32を演奏したあとは、第1次予選で最初に強い印象を残したチャイコフスキー/フェインベルク編の交響曲第6番「悲愴」より「スケルツォ」を演奏。ガラコンサートということで、交響曲が好きで指揮に興味があると語る彼らしい選曲です。ピアノ一台で多彩な音を鳴らしながら、最後は力強く歩みを進めてゆくような、ダイナミックな演奏を披露。会場を大いに沸かせました。


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ガラコンサートの最後を飾ったのは、優勝者のアレクサンデル・ガジェヴさん(イタリア)。第2次予選で演奏したショパンのピアノソナタ第2番「葬送」を、予選時とはまた違った展開で聴かせます。同じフレーズも現れるたびに異なる表情で奏され、豊かなアイデアの持ち主であることが伝わります。大ホールの響きを味わうようにしながら、はかなく繊細な音を鳴らした第3楽章の中間部など、強く印象に残りました。
その場で音楽を生むクリエイティビティ、美しい音を選び出して鳴らすセンス、音楽を大胆に構成する能力をあわせ持つ、優れた才能だということを存分に知らしめる、堂々とした演奏。客席からは新しいスターに、大きな祝福の拍手が贈られました。

最後に6人が揃ってステージに現れると、再び会場は大きな拍手に包まれます。それぞれに個性的で自由な面々は、少しぎこちない様子で顔を見合わせながら揃ってお辞儀をし、浜松の音楽ファンのあたたかい祝福に応えました。



文 ・ 高坂はる香

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