マルタ・アルゲリッチ審査委員

2015.12.06|出場者・審査委員インタビュー

「自分のしていることを愛しているか否か、
そこにどれだけのエネルギーをつぎ込むことができるか」


ファイナル開幕直前、マルタ・アルゲリッチ審査委員にお話を伺いました。

─コンテスタントの印象はいかがですか?

レベルが高いですね。私は2次からしか聴いていませんが、3次に通ってほしかった何人かが通らなかったことは悲しかったです。ファイナルに進む6名のリストは、良かったと思います。


─どんなピアニストを探していますか?

ピアニストにはさまざまな個性があるものですから、こういうタイプというイメージはありません。説得力があり、アーティスティックで、音楽的でなくてはいけないとは思います。そこから先に、なにを比べたらいいというのでしょう。花に例えるなら、薔薇とジャスミンを比べることなんてできません。こういうものがいいという考えで聴いていたら、すてきなものを見逃してしまうかもしれないでしょう。スーパーマーケットで買い物をするのとは違います。

20151206b05000.JPG

─審査委員の先生方の話を聞いていると、好みの音楽性でなくても、優れた才能であれば多様なタイプを評価するという考えをもって審査に臨んでいらっしゃるのだなと感じます。

好みでない......というより、自分と違う意向を持っている音楽という意味でしょうね。それはわかります。
私にもたくさん好きなピアニストがいます。グルダ、グールド......同時にルービンシュタインやホロヴィッツなど。彼らはそれぞれ、音楽的なテイストの意味では、全然違うタイプでしょう。でも、どのピアニストも音楽に説得力のあるすばらしいアーティストです。

音楽家には、才能が大切です。才能とは、説得力のある音楽を持っているということ。
そしてそれは、その人が自分のしていることを愛しているか否か、それにどれだけのエネルギーをつぎ込むことができるかに基づいているのです。
単に機械的な演奏は嫌いです。でもその音楽に説得力があればいいでしょう。その差はすごく大きなものです。

それで、1次から聴いてきてあなたが気に入った人は通った?


─なかなかそうはいかないときもありましたけれど......一聴衆である自分の意見と審査委員の判断が完全に一致することは、なかなかありませんよね。

そうなの......。それに、審査委員のなかでもいろいろな意見の人がいますよ。話し合うことはできません。みんなの意見にはとても興味があるのだけれど。
でも、このコンクールは優勝者のその後の活躍が本当にすばらしいので、感心しています。チョ・ソンジンはショパンコンクールに優勝したし、セルゲイ・ババヤンはすばらしいピアニストだし、アレクサンダー・コブリンとラファウ・ブレハッチも最高位に入っている。ラファウはその後ショパンコンクールに優勝したでしょう。このコンクールは、"何か"があるいいコンクールなのね。そう感じています。



文・高坂はる香

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2015.12.06
マルタ・アルゲリッチ審査委員

「自分のしていることを愛しているか否か、
そこにどれだけのエネルギーをつぎ込むことができるか」


ファイナル開幕直前、マルタ・アルゲリッチ審査委員にお話を伺いました。

─コンテスタントの印象はいかがですか?

レベルが高いですね。私は2次からしか聴いていませんが、3次に通ってほしかった何人かが通らなかったことは悲しかったです。ファイナルに進む6名のリストは、良かったと思います。


─どんなピアニストを探していますか?

ピアニストにはさまざまな個性があるものですから、こういうタイプというイメージはありません。説得力があり、アーティスティックで、音楽的でなくてはいけないとは思います。そこから先に、なにを比べたらいいというのでしょう。花に例えるなら、薔薇とジャスミンを比べることなんてできません。こういうものがいいという考えで聴いていたら、すてきなものを見逃してしまうかもしれないでしょう。スーパーマーケットで買い物をするのとは違います。

20151206b05000.JPG

─審査委員の先生方の話を聞いていると、好みの音楽性でなくても、優れた才能であれば多様なタイプを評価するという考えをもって審査に臨んでいらっしゃるのだなと感じます。

好みでない......というより、自分と違う意向を持っている音楽という意味でしょうね。それはわかります。
私にもたくさん好きなピアニストがいます。グルダ、グールド......同時にルービンシュタインやホロヴィッツなど。彼らはそれぞれ、音楽的なテイストの意味では、全然違うタイプでしょう。でも、どのピアニストも音楽に説得力のあるすばらしいアーティストです。

音楽家には、才能が大切です。才能とは、説得力のある音楽を持っているということ。
そしてそれは、その人が自分のしていることを愛しているか否か、それにどれだけのエネルギーをつぎ込むことができるかに基づいているのです。
単に機械的な演奏は嫌いです。でもその音楽に説得力があればいいでしょう。その差はすごく大きなものです。

それで、1次から聴いてきてあなたが気に入った人は通った?


─なかなかそうはいかないときもありましたけれど......一聴衆である自分の意見と審査委員の判断が完全に一致することは、なかなかありませんよね。

そうなの......。それに、審査委員のなかでもいろいろな意見の人がいますよ。話し合うことはできません。みんなの意見にはとても興味があるのだけれど。
でも、このコンクールは優勝者のその後の活躍が本当にすばらしいので、感心しています。チョ・ソンジンはショパンコンクールに優勝したし、セルゲイ・ババヤンはすばらしいピアニストだし、アレクサンダー・コブリンとラファウ・ブレハッチも最高位に入っている。ラファウはその後ショパンコンクールに優勝したでしょう。このコンクールは、"何か"があるいいコンクールなのね。そう感じています。



文・高坂はる香

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