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第2次予選最終日

2009年11月16日|トピックス

 第2次予選最終日。ついこの間第1次予選を終えたばかりだと思っていたら、あっという間に2次も終わる。この3日間、1次予選通過の発表を受けて、通過できなかった出場者の顔が頭をよぎって、彼らの才能が次へと花開かなかったことに悶々とする一方で、2次の演奏を聴けば、やはり残っただけのことがある演奏ばかりだ。

 そして今日、さらに3次へ進む12人が決まるわけだが、一方でまた、次へ進めない12人が決まるという、嬉しさと寂しさの混在する複雑な一日となりそうだ。

 最終日の1番目は、サラ・ダネッシュプールさん(アメリカ/22才)。一次を終えた後で、「テクニックを見せるというより、音楽で魅せたい」と彼女が言った意味がよく伝わる演奏だった。思いを込めている一つ一つの音がよく伝わって来た。最後に、ショパンのピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調を演奏する前に会場がシーンと、まるで誰も呼吸をしていないのではないかと思えるような沈黙があり、その後に始まった演奏を厳かなものにした。

 2番目の尾崎有飛さん(日本/20才)は、リスト、スクリャービン、ショパン、西村 朗、ラヴェルと5人の作曲家の色を上手く出しながら、最後のリストのラ・ヴァルスでは観客を自分の演奏にぐいぐい引き込んで次第に会場が一体になっていたように思う。

 3番目に弾いたギンタラス・ヤヌセーヴィチュスさん(リトアニア/24才)の演奏の上手さは、今日のリスト、「巡礼の年 第2年 イタリア」よりペトラルカのソネット 第123番とダンテを読んで-ソナタ風幻想曲で、会場に聴きに来た人たちを魅了した。

 4番目のホ・ジュウォンさん(韓国/22才)は、制限時間の約半分を自分の得意とするシューマンの謝肉祭を演奏して審査に臨んだ。最後のフィリシテ人と闘う『ダヴィッド同盟』の行進になった時、いよいよカーニバルが終わる寂しさのようなものをうまく出せていたと思う。

 

14 サラ・ダネッシュプールさん(アメリカ/22才)
-今日の演奏はいかがでしたか。
ベストは尽くせたと思います。
-ショパンのソナタがとてもよかったと思います。
 ありがとうございます。審査委員のことは考えないようにして、演奏に集中しました。
観客のみなさんがとても静かに演奏を聴いてくださって、嬉しいです。

 

64 尾崎有飛さん(日本/20才)
-尾崎さんは1次通過の時に、1次の時の演奏を聴いて今日に備えると言っていましたが、1次の演奏からどういうところに気をつけたのですか?
ホールでどう響くのかということです。
-その他、尾崎さんが気をつけたことはありますか?
 細かいところですが、ラ・ヴァルスは自分で編曲しなくてはいけない曲なので、今回また少し手を加えました。
-今日の演奏を終えて、いかがですか?
 自信があったところでアレッと思うことがあったり、迷っていたところがしっくり来たりと、不思議でした。

 

31 ギンタラス・ヤヌセーヴィチュスさん(リトアニア/24才)
-演奏を終えて、今の気分はいかがですか?
ハッピーです。
-それは演奏に満足しているということですね?
 演奏がどうのこうのというのではなくて、今、この瞬間がハッピーだということです。
-演奏はどうでした?
 1次は上手くいったと思う、両親も満足してくれています。今回はどうでしょう。今自分の国ではまだ朝早いのですが、両親が聴いてくれていると思います。後で電話して感想を聞くつもりです。
-ご両親も音楽家ですか?
 母が作曲家、父がトランペッターです。
〔まだ手が震えているんですよと、手を見せてくれたが、大曲を弾き終えての震えなのか、神経がまだ高ぶっての震えなのか、かすかに震えている手だった。〕

 

29 ホ・ジュウォンさん(韓国/22才)
-今日の演奏を終えてのご感想はいかがですか?
 ひどいです。突然、両手の二の腕が動かなくなったのです。
-それはまたどうして?
 わかりません、急になんです。
-あなたがシューマンを大好きだというのは伝わってきました。
 ええ、大好きです。でも今日の演奏では、シューマンに申し訳ないです。
-大好きなシューマンについて語ってください。
 シューマンの作品を弾くと人間を表現できると思います。彼の曲にはいつも二つのキャラクターがあって、一つはパワフルで速い、もう一つはスローでソフト、陰と陽の関係ですね。
-3次でもシューマン、そして武満 徹の雨の木 素描Ⅱ-オリヴィエ・メシアンの追憶-を弾きますね、楽しみです。
 武満 徹の雨の木 素描Ⅱ-オリヴィエ・メシアンの追憶-は、友人のキム・テヒョンが雨の木 素描Ⅰを弾くのを聴いて、とても美しい曲だと思って思って、今日Ⅱの方を弾きました。

 

 5番目の演奏者は、長い手足でステージの姿がすらりと美しい、タミーラ・サムリジャーノワさん(ウズベキスタン/17歳)。優しい音が特徴の彼女。なめらかな加速でフォルテを豊かにならす。『白昼夢』は、冒頭で比較的テンポを速くとり、穏やかな演奏だ。最後のドビュッシー『喜びの島』のような、音を優しく混ぜる曲がとてもよく合う。

 続いて、エマール・ガザノフさん(ロシア/26歳)は、『白昼夢』から演奏。前の奏者との違いが明らかだ。高い緊張感とともに、少々狂気を感じさせるような鮮烈な表現。最後に演奏したリストのソナタは、太い音で、ピアノがよく鳴っている。大砲のようなお腹に響く音。すべての演奏に、ロマンティックさの隣りに物悲しさがじっとりと寄り添っている。


 そして、2次予選の最後の奏者となったのはキム・ヒョンジョンさん(韓国/18歳)。どの演奏も、どこまでもなめらかで丸く、のびのびとした表現が魅力的なピアニストだ。ショパンのピアノソナタ第2番は、フレッシュでのびる音を用いて、潔い音楽。リストの『リゴレット・パラフレーズ』は、高音もキラキラとしていて、技術的にも充分。弾き姿も美しい。あっという間の40分だった。

 

70 タミーラ・サムリジャーノワさん(ウズベキスタン/17歳)
タミーラ・サムリジャーノワさん ─演奏を終えた感想は?
まあまあです。実は、あんまり満足してません(苦笑)。『白昼夢』を選んだのは、とても興味深い作品だったからです!


20 エマール・ガザノフさん(ロシア/26歳)
─とても印象深い演奏でした。
でも、あんまりいい気分ではないんですが……これから録音を聴いてみたいと思います。演奏の直後なのでなんともいえませんね。
─『白昼夢』の演奏中は何を思い浮かべていましたか?
異なるさまざまな光景や夢を思い浮かべながら演奏しました。スコアを開いてみて直感でこちらにしようと決めました。
─短調の作品ばかりが並んでいますが。
あ、そうでしたっけ(笑)? 自然にそうなったみたいです。
─ピアニストになることは子どものころから決めていましたか?
両親は音楽関係ではまったくないんですが、子どものころからピアニストになろうと決めていました。僕はウクライナのセヴァストポリで生まれたのですが、その音楽院ですばらしい先生についたことがきっかけでした。
─では、ピアノ以外ではどんなことが好きですか?
読書も、友人と遊びに出掛けるのも、好きですよ。でも音楽が僕の人生の中で一番大切なことです。
─日本は初めてですか?
はい。日本はまるで別の世界みたいだと思います。人々がとてもいいですね、フレンドリーで礼儀正しいです。すしも食べましたし、毎日、日本食です。でも僕は肉が必要で……いつも肉を探してるんです(笑)。


36 キム・ヒョンジョンさん(韓国/18歳)
─コンクールの生活はいかがですか?
このコンクールは練習の時間もたくさんいただけるし、ボランティアの方も優しく、ホテルも居心地が良い、なにもかもがすばらしいコンクールです。
─また本番直前にはバナナを食べたんですか(笑)?
はい……(笑)。
─『白昼夢』を選んだのはどうしてですか?
『白昼夢』からはドビュッシーやラヴェルのようなものを感じて、私はそういう音楽が好きなので、選びました。すばらしい作品だと思います。アンプがとても難しかったので緊張しました。

 

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