JURY 審査委員

審査委員 イングリット・フリッター Ingrid FLITER アルゼンチン

「イングリッド・フリッターは、ごく一握りのピアニストにしか与えられない名誉あるギルモア・アーティスト賞を2006年に受賞したことで一躍世界的な注目の的となった。ギルモア・アーティスト賞は、年齢や国籍を問わず演奏家としての深い精神性や姿勢とカリスマ性を備え、国際的なコンサートアーティストとして活動を続ける卓越したピアニストに贈られる。

ブエノスアイレスに生まれたフリッターは、母国アルゼンチンでエリザベス・ウェスターカンプの指導の下ピアノを始めた。1992年にヨーロッパに渡り、フライブルク音楽大学でヴィタリー・マーギュリスに学んだ後、ローマでカルロ・ブルーノに師事、さらにイモラ国際ピアノアカデミーでフランコ・スカーラとボリス・ペトルシャンスキーの薫陶を受ける。イタリアのブゾーニ国際ピアノコンクールに入賞し、2000年ワルシャワのショパン国際ピアノコンクールで銀メダルを獲得。さらにBBC Radio 3の2007~2009年ニュージェネレーション・アーティストに選ばれ、同プログラムの後援でBBC傘下の複数のオーケストラと共演した。

現在はヨーロッパと米国を中心に活動を展開し、米国ではシンシナティ交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団、ミネソタ管弦楽団、ワシントン・ナショナル交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、シアトル交響楽団、セントルイス交響楽団、トロント交響楽団などと共演している。

ヨーロッパとオーストラリアにおける最近の共演および今後共演予定のオーケストラとしては、フィルハーモニア管弦楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団、シドニー交響楽団、西オーストラリア交響楽団、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団などが挙げられる。

これまで、コンセルトヘボウ(アムステルダム)、オルセー美術館、サントリーホール(東京)、ケルン・フィルハーモニー、ザルツブルク祝祭大劇場、ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院(ミラノ)、ウィグモアホール(ロンドン)、アッシャーホール(エディンバラ)でリサイタルを開催。北米においては、カーネギーホールやメトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ヴァン・クライバーン財団(フォートワース)での主要なリサイタルのほか、シカゴ、サンフランシスコ、デトロイト、バンクーバー、モントリオール、サンタバーバラなどで演奏を行った。また、今シーズン後半にはサウスバンク・センター(ロンドン)でのインターナショナル・ピアノ・シリーズのデビューが控えている。主な音楽祭としては、ラ・ロック゠ダンテロン、プラハの秋国際音楽祭、ヴァルデモサ・ショパン・フェスティバル、チェルトナム・フェスティバル、シティ・オブ・ロンドン・フェスティバル、ワールド・ピアニスト・シリーズ(東京)などに加えて、モストリー・モーツァルト・フェスティバル、グラント・パーク音楽祭、アスペン音楽祭、ブロッサム音楽祭などに出演している。

フリッターはショパンの解釈者として高い評価を確立しているが、ショパンの作品のみを収録したEMIクラシックスレーベルの2枚のCDはその評価の裏付けと言えるだろう。ショパンのワルツ全曲集は、デイリーテレグラフ紙の批評で5つ星を獲得して「CDオブ・ザ・ウィーク」となり、グラモフォン誌とクラシックFMマガジン誌ではエディターズ・チョイスに選ばれた。グラモフォン誌は「イングリッド・フリッターは、ワルツ全曲集の新たな基準を打ち立てる。近年発表されたショパン作品の録音の中でも、本作は最初から最後まで極上の一枚である」(グラモフォン誌、ジェレミー・ニコラス)と評している。

直近の録音は、リン・レコード・レーベルから発表されたスコットランド室内管弦楽団との共演による初のメンデルスゾーンとシューマンの協奏曲。また、同じくリン・レコードからショパンの夜想曲全集が2018年9月にリリースされている。

ライブ録音は、コンセルトヘボウ(アムステルダム)とマイアミ国際ピアノフェスティバルでのリサイタルで演奏したベートーヴェンとショパンの作品がVAIオーディオ・レーベルから発表されている。

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