ファイナル第2日目【レポート】

2015.12.07|オフィシャルレポート

12月6日、ファイナル2日目、コンクールの審査も本日が最終日です。全ての演奏が終わったあと、大ホールで結果発表と表彰式がおこなわれます。

この日のチケットは完売。開場を待つ方々で、ホールの前には長蛇の列ができていました。

20151206011050.JPG


一人目の演奏者は、アレクシア・ムーサさん(ギリシャ/ベネズエラ)。演目はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、使用ピアノはヤマハです。

冒頭から弾力ある音を鳴らします。歌う部分は存分に歌い、駆け抜ける部分は力強く突進してゆく。大胆に流れる音楽には、細かな音のミスなどは気にならない魅力があります。オーケストラとピアノの絡み合いの中に、この作品にはめずらしく、戯れ、追いかけ合うような、おもしろい掛け合いを感じたのも印象的。オーケストラもムーサさんの音楽に巻き込まれて、どんどんピチピチとはじけていくようです。音楽が進むにつれて、オーケストラ、そして聴衆を自分の世界に巻き込み、エネルギーを放出して音楽を閉じました。



20151206013047.JPG


二人目の奏者は、フロリアン・ミトレアさん(ルーマニア)。演奏するのは、1日目最後のガジェヴさんと同じ、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。使用ピアノはカワイです。

彼は3次予選でもプロコフィエフのソナタ第6番を演奏していますが、同じプロコフィエフでもだいぶ違う印象。少し緊張が感じられる硬質なくっきりとした音で、リズムを力強く刻みます。物語が多彩に展開してゆくようなこの作品で、やわらかな音、鋭く突き抜ける音、輝く音など、"場面"が切り替わるごとに味のある表情を持ったさまざまな音を繰り出して、多くの情景を見せてくれました。



20151206015040.JPG

そして、最後の演奏者となったのは、ローマン・ロパティンスキーさん(ウクライナ)。昨日一人目のメリニコフさんが演奏したのと同じ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏します。使用ピアノはスタインウェイ。

冒頭のテーマは、内心を静かに打ち明けるようなナイーブな表現で、優しく哀愁の漂うラフマニノフの世界が展開します。しかしカデンツァ部分などピアノがソロとなる場所で感情を表出し、再びオーケストラと合流するところでまた味わい深い絡み合いを見せます。
終楽章で刻まれる音楽は、どこかノーブルで英雄的な気配を漂わせ、オーケストラもそれにあわせます。最後はついに心を開き、感情をぶつけるかのような音楽を奏で、オーケストラと一体となって感動的なクライマックスを迎えました。



まったく個性の異なる6人のコンチェルト。誰が何を弾き、どんな音楽だったかがこれほどはっきりと記憶できるコンクールのファイナルも、めずらしいでしょう。

これで、コンクール全てのステージが終了しました。


文 ・ 高坂はる香

  • 一覧へ戻る
2015.12.07
ファイナル第2日目【レポート】

12月6日、ファイナル2日目、コンクールの審査も本日が最終日です。全ての演奏が終わったあと、大ホールで結果発表と表彰式がおこなわれます。

この日のチケットは完売。開場を待つ方々で、ホールの前には長蛇の列ができていました。

20151206011050.JPG


一人目の演奏者は、アレクシア・ムーサさん(ギリシャ/ベネズエラ)。演目はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、使用ピアノはヤマハです。

冒頭から弾力ある音を鳴らします。歌う部分は存分に歌い、駆け抜ける部分は力強く突進してゆく。大胆に流れる音楽には、細かな音のミスなどは気にならない魅力があります。オーケストラとピアノの絡み合いの中に、この作品にはめずらしく、戯れ、追いかけ合うような、おもしろい掛け合いを感じたのも印象的。オーケストラもムーサさんの音楽に巻き込まれて、どんどんピチピチとはじけていくようです。音楽が進むにつれて、オーケストラ、そして聴衆を自分の世界に巻き込み、エネルギーを放出して音楽を閉じました。



20151206013047.JPG


二人目の奏者は、フロリアン・ミトレアさん(ルーマニア)。演奏するのは、1日目最後のガジェヴさんと同じ、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番。使用ピアノはカワイです。

彼は3次予選でもプロコフィエフのソナタ第6番を演奏していますが、同じプロコフィエフでもだいぶ違う印象。少し緊張が感じられる硬質なくっきりとした音で、リズムを力強く刻みます。物語が多彩に展開してゆくようなこの作品で、やわらかな音、鋭く突き抜ける音、輝く音など、"場面"が切り替わるごとに味のある表情を持ったさまざまな音を繰り出して、多くの情景を見せてくれました。



20151206015040.JPG

そして、最後の演奏者となったのは、ローマン・ロパティンスキーさん(ウクライナ)。昨日一人目のメリニコフさんが演奏したのと同じ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏します。使用ピアノはスタインウェイ。

冒頭のテーマは、内心を静かに打ち明けるようなナイーブな表現で、優しく哀愁の漂うラフマニノフの世界が展開します。しかしカデンツァ部分などピアノがソロとなる場所で感情を表出し、再びオーケストラと合流するところでまた味わい深い絡み合いを見せます。
終楽章で刻まれる音楽は、どこかノーブルで英雄的な気配を漂わせ、オーケストラもそれにあわせます。最後はついに心を開き、感情をぶつけるかのような音楽を奏で、オーケストラと一体となって感動的なクライマックスを迎えました。



まったく個性の異なる6人のコンチェルト。誰が何を弾き、どんな音楽だったかがこれほどはっきりと記憶できるコンクールのファイナルも、めずらしいでしょう。

これで、コンクール全てのステージが終了しました。


文 ・ 高坂はる香

一覧に戻る

主催

  • 浜松市
  • 浜松市文化振興財団

特別協賛

  • ANA
  • 遠鉄グループ
  • JR東海
  • KAWAI
  • Roland Foudation
  • 三立製菓株式会社
  • YAMAHA
〒430-7790 静岡県浜松市中区板屋町111-1 公益財団法人浜松市文化振興財団内  TEL:053-451-1148  FAX:053-451-1123
MAIL : info@hipic.jp URL : http://www.hipic.jp
Copyright (c) Hamamatsu International Piano Competition.
All rights reserved.
Powerd By Ultraworks