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2018.12.20 Official Report

【公式】第3位 イ・ヒョクさん インタビュー

「幸せな曲を弾いているときはみんなに笑顔になってほしいし、悲しい曲のときは、泣いてほしい」



ーコンクールを終えて、今のご気分は?

 まず、ファイナルまで進めると思っていなかったので驚いています。とくに僕は3次予選で(時間制限のため)最後まで演奏できませんでしたから! すばらしいファイナリストのメンバーに仲間入りできたことを、とても光栄に思っています。

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ー本選で演奏したラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、初めて聴くような、とても新鮮な印象でした。曲について、どんなイメージを持って演奏されていたのですか?

 僕はどんな作品についても、演奏するときに必ず自分のイメージを持つようにしています。演奏中はそのイメージに集中し、僕自身が抱くストーリーを追いながら演奏するようにしていますね。



ー・・・それで、そのストーリーは秘密ですか?

 はい、秘密です(笑)。



ー聴衆には、聴いてそれを読み取ってほしいと。

 そういうことです!



ー普段この曲を聴いている時以上にとても力強いリズムを感じて、ヒョクさんのリズム感がいいからこういう演奏になるのかなと思いながら、楽しく聴いていたのですが。

 ラフマニノフはとても強い音楽家でしたから、そのあたりも伝えたいと考えていました。特に終楽章のフィナーレのあたりは、彼自身、アメリカの列車の動く様子が表されていると言っているほどで、とても強いビートが感じられるでしょう。そういったことを丁寧に表現していこうと思っていました。

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ー今回はヤマハのピアノを選ばれましたが、楽器はいかがでしたか?

 すばらしかったです。とても良いクオリティのピアノだったので、このコンクール中は望む通りになんでも表現することができました。ヤマハのスタッフのみなさんも、とてもフレンドリーにサポートしてくださって、家族のように感じられました。



ー2017年には、前年のパデレフスキコンクールの優勝者として来日し、東京や浜松で演奏されていましたよね。

 はい、日本には何回か来ていますよ。



ー今回はコンクールのコンテスタントとして浜松に滞在し、何か新しい発見はありましたか?

 このコンクールは、僕がこれまでに受けた中で最も大きなコンクールの一つでした。3回のソロとコンチェルトという大きなステージで、準備したレパートリーを4回にわたって演奏することができ、すばらしい経験になりました。

 浜松コンクールのお客様は、パデレフスキコンクールとはまた違って、新しい印象を持ちました。みなさんからは、クラシック音楽にすごく関心があることが感じられます。ここでの経験はずっと忘れないでしょう。

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ー以前お話を聞いたとき、マルク=アンドレ・アムランさんが大好きで、アルカンはじめ彼のレパートリーを追っているとおっしゃっていました。でも、アムランさんは最近そういう超絶技巧作品をあまり演奏しませんよね。

 そうですね、シューベルトとシューマンが多いですよね・・・(笑)。



ー先の来日中にアムランさんのインタビューをしたら、ショーンバーグからスーパーヴィルトゥオーゾと評されたことを以前は喜んでいたけど、ある瞬間から嫌になってレパートリーも変わったということでした。ヒョクさんもどこかの瞬間、そうなるのかなと思いましたが...。

 かもしれませんね。でも僕は特にロシアものが好きなので、シューマンばっかりになることは、ないかな(笑)。もちろんドイツのロマン派の作品も好きです。とにかく、幅広いレパートリーに取り組むことが好きなんです。

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ー今はモスクワ音楽院で勉強されているのですよね?

 はい、14歳までは韓国で勉強していましたが、2014年からモスクワで勉強を始めました。



ーチェスも強いし、コンピューターのプログラミングも趣味だときいて、本当に将来ピアニストになると決めているのだろうか、もしかすると他の道もまだ考えているのではないだろうかと思ったのですが・・・。

 そうですね、今はもうピアニストになろうと思っています(笑)。プログラミングは以前よくやっていましたが、最近は時間がありません。今の僕のスペシャリティは、間違いなくピアノです。ヴァイオリンもやっていますけれど。

 もともと最初に始めたのはヴァイオリンなんです。3歳で始めて、そのあとピアノも並行して勉強するようになりました。国際コンクールで最初に優勝したのが、モスクワの若い音楽家のためのショパン国際ピアノコンクールでピアノのほうだったので、ピアノをメインでやるようになりました。



ーそれじゃあヴァイオリンはその時まで?

 いえ、もちろん今も演奏していますよ。僕のレパートリーには、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲もあります。少し前にモスクワの小さなコンクールで優勝しました。



ーえっ! すごいですね。

 いやでも、浜松とは比べものにならないようなすごく小さいコンクールだから・・・。



ー指揮者の高関さんが本選のリハーサルのとき、あんなに難しい曲なのに、ヒョクさんは客席にいる弟さんの方を見たり、楽譜をめくったりしながら余裕で演奏していた、天才肌だとおっしゃっていましたが・・・。

 そうですか(笑)。弟は、リハーサルの様子を動画で撮影してくれていました。彼は今11歳ですが、やはりモスクワでピアノとヴァイオリンを勉強しています。

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ー音楽一家なのですか?

 そういうわけではありません、僕たち兄弟が勉強しているだけです。いつかデュオで演奏しようと計画しているんですよ。



ー日本でも是非お願いします! ところで、あなたの音楽にインスピレーションを与えるものはなんでしょうか?

 そうですね...僕に一番影響を与えていることは、読書かもしれません。本の中には、物語があります。演奏するうえでは、心の中に、音楽で聴衆に語るべきいろいろな物語を持っていないといけませんから。幅広くなんでも読みますよ。トルストイやドストエフスキーなどロシアの古典はもちろん好きですが、なんでも好きなので一つは挙げられませんね。

 あとは、街を歩いているとき、山を歩いているとき、もしかしたらチェスをしているときなど、あらゆることが、物語を心に描くことの助けになっていると思います。1日に何時間も練習することだけが、僕の音楽を作っているわけではありません。



ーこれからピアニストとして生きていくうえで、最も大切にしていきたいことはなんでしょうか。

 ピアノを演奏するうえで一番大切なことは、音楽をつくり、聴衆とコミュニケーションを持つことです。僕が幸せな作品を演奏したときは、みんなに笑顔になってほしいし、悲しい曲のときは、泣いてほしい。とにかくコミュニケーションがしたいのです。自分のために演奏しているだけなら、それは音楽ではないと僕は思います。

 音楽を通して物語を語ることができるような、作曲家のストーリーを伝えられるような、本当のピアニスト、本物の音楽家になりたいです。



(文・高坂はる香)

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