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2018.12.17 Official Report

【公式】 第4位 今田篤さん インタビュー

「その場で感じたことを大切に演奏しようと心がけていました」



ーコンクールを終えて、どう感じていますか?

 本選でオーケストラと共演できたことに満足しています。浜松コンクールは、お客様もすばらしいし、楽器もコンクールの運営もよく、受けるだけでも価値があるコンクールだと思って出場しました。だからこそうまくいったのかもしれません。良い結果を狙っていくと、うまくいきませんからね。

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ー本選指揮者の高関さんとはどんなお話をしましたか?

 高関さんは今回、チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番を演奏するのが49回目だったそうです。演奏についてのアドバイスもいただきました。スコアの後ろに、共演者が全部メモされていて、ポゴレリッチやガヴリーロフなど、「このあたりが有名どころ」と見せてくださいました(笑)。ガヴリーロフとの共演では、フィナーレの部分を1拍子で振って世界最速レベルの演奏だったとか...なかなか聞けないお話を聞くことができました。



ー3年前の浜松コンクールに参加していたときはロンドンに留学中で、その後一度日本に戻り、今はまたドイツのライプツィヒで勉強されています。ヨーロッパで学び暮らすことは、ご自身にどんな影響がありますか?

 もちろん、ヨーロッパで暮らしているメリットはあります。ただ、定期的に日本に帰ってきますし、インターネットもありますから、日本から離れて異国にいるという孤独をそこまで感じることはありません。10年ほど前にジュニア向けのコンクールを受けた頃は、海外で携帯電話やメールは使えたけれどまだ料金が高くて、それなら使わないでいるというようなことがありましたが...



ー今田さんは20代後半ですから、まだそういう経験がある世代なのですね。審査委員のコブリンさんが、情報を得ることへの年代による環境の変化についてインタビューで話していましたが...

 はい、読みました。僕も高校に入るまでは携帯を持っていなくて、レッスンを受けるために東京に出てきたときは、帰りにいつも、どの新幹線に乗るかを伝えるため、家に公衆電話から電話していましたから。でも僕、最近も公衆電話を使ったんですよね、携帯の充電が切れちゃって!

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ーところで、ピアノの道を決心したのはいつ頃ですか?

  14歳の頃、地元を離れて、東京芸大の付属高校に行くことに決めたときです。音楽の道に進むということがどういうことか、今ほどはっきりとはわかっていなかったと思いますが、それでも、この道を選ぶということは、もうこの後は他の道には変えらないのだと思っていました。

 何か特別な転機があって決めたわけではありません。小さな頃にピアノをはじめ、小学校高学年から集中して勉強するようになって、歳を重ねるごとに自分の中で音楽が占める割合がどんどん大きくなって、自然とピアノの道に進んだという感じです。



ーこのコンクールの間で、ご自分の中に新しい発見や変化はありましたか?

 舞台では、もちろん今まで勉強してきたことを披露することも大事ですが、今回は、即興的...というか、その場で感じたことを大切に演奏しようと心がけていました。自分の中では、4回の本番で変わることができたかなと思っています。でもレセプションの時、ディーナ・ヨッフェ先生から、もっと自分を出しなさい、ある種のエゴみたいなものがもっとほしかったと言われたんです...



ーエゴですか。むずかしいですね、バランスが。

 スタイルが崩れるようではいけませんからね。だからといって、審査委員の先生方の顔色をうかがって演奏していたら、とてもじゃないけど自分の音楽に納得してもらうことなんてできません。

 僕もだんだんと音楽に没頭できるようになってきたので、同時に冷静さもなくてはいけませんが、ある一面でより集中度を高めていくことが大切かなと思っています。

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ー今回演奏されたヤマハのピアノは、いかがでしたか?

 音がクリアで、歌ってくれる楽器でした。音域全体にまんべんなく良い響きがして、伸びやかな印象でしたね。


ーステージ上の楽器と仲良くなる秘訣は?

 には秘訣はありませんが...まずはなるべく叩かないということですね。そういえば、コンクールの直前にドイツの先生に言われたことがあって、楽器をフラウ...女性みたいに扱いなさいと言われて、ほう、と思いました(笑)。



ーそれでどうなりました!?

 とくに変わったわけじゃないんですけど。



ー急にピアノの扱いが理解できたわけじゃないんですね。

 それはないです(笑)。そうだったらいいんですけど。

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ー浜松コンクールに入賞したことで、今後ご自身の中で変わりそうなことはありますか?

 日本のあちこちの方が演奏を聴いてくださっていたと思いますが、やはり地元出身ということで、とくに静岡のみなさんが注目してくださっていたと感じます。これまでは出身地の掛川でのコンサートが主でしたが、これからは静岡全域で演奏できるようになりそうです。...国際コンクールなのに、静岡の話ですみませんが(笑)。

 あと、小川典子先生からは、自分でここの入賞者だということをアピールしたほうがいいというお話がありました。僕はそういうことが苦手で...以前エリザエベート国際音楽コンクールでファイナリストになったあとも、自分から全然情報発信できなかったので。そういうことも、ちゃんとしていかないといけないのだなと思っています。





ー今後力を入れて勉強していきたい作曲家などはいますか?

 まずは、ロマン派の作品がすごく好きなので、その辺りのレパートリー。また、今はライプツィヒでドイツ人の先生のもと学んでいるので、バッハやベートーヴェン、とくにハンマークラヴィーアのような、20代の学生で時間があるときだからこそじっくり勉強できるような作品に取り組んでいきたいです。勉強したい作品は、たくさんあります。



ーでは、これからピアニストとして活動する上で一番大事にしていきたいことは?

 作曲家がどういう音楽にしたかったのか、どういう雰囲気を伝えたかったのかを第一に考え、その解釈をお客さんと共有できる演奏家を目指していきたいです。



(文・高坂はる香)

Hamamatsu International Piano Competition

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