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2018.11.24 Official Report

【公式】 11/24 表彰式&記者会見

全ての演奏が終わってから1時間後、予定通りの18時から、大ホールで結果発表と表彰式が行われました。会場には、結果発表の瞬間を見ようとこれまで以上に多くの方が訪れ、2階席まで開放するはじめての状況となりました。

 

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まずは、鈴木康友市長からの挨拶です。

「今回は節目の第10回ということに加え、直木賞を受賞した恩田陸先生の小説『蜜蜂と遠雷』の影響もあって、予選から多くの方にお越しいただきました。

 まずは小川典子審査委員長はじめ、審査委員のみなさん、長丁場のなか厳正な審査をいただきありがとうございました。多くのボランティア、コンクールを支えてくれた関係者のみなさんによって、コンクールがすばらしいものとして完結しました。心より感謝申し上げます。これまでの歴代の入賞者が世界の檜舞台で活躍されています。今回の入賞者のみなさんにも世界に羽ばたいていっていただけるよう、浜松としても支援していきたいと思います。

 浜松は2014年にユネスコの創造都市ネットワーク、音楽創造都市としてアジアで初めて登録されました。これから音楽文化の発展に貢献していく中、浜松国際ピアノコンクールはシンボルとなる中心的な事業です。これから歴史を重ねる中で、さらに成熟、発展させてまいりたいと思います。多くのみなさま、ご理解とご支援をお願いします」

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 続いて、小川典子査委員長のスピーチと、審査結果の発表です。

「今回は88人、ピアノの鍵盤と同じ数のコンペティターが集まり、88人それぞれのパーソナリティがほとばしる演奏で、受け止めるのが大変なくらいでした。次のステージに進めなかった方達が残って演奏をしてくれていることで、このコンサートホールの中だけでなく、今、浜松市全体がピアノの音に満ちています。そんな彼らを支えてくれた浜松のみなさんに感謝いたします。

 11人の審査委員はチームワーク良く、このすばらしい先生方とみなさんの演奏を受け止めることができました。それでは発表にうつります」

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まずは特別賞の発表から。室内楽賞はジャン・チャクムルさん、奨励賞はアンドレイ・イリューシキンさん、日本人作品最優秀演奏賞は梅田智也さんに授与されました。また、2日間にわたる来場者の投票により決定された聴衆賞には、牛田智大さんが選ばれました。

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 そしていよいよ最終順位の発表です。

 第6位は安並貴史さん、第5位は務川慧悟さん、第4位は今田篤さんと、順に名前が呼ばれていきます。

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そして、いよいよ上位3名の発表です。第3位はイ・ヒョクさん、その後に第2位に牛田智大さんの名前が呼ばれると、会場からはどよめきが。この瞬間、ジャン・チャクムルさんの優勝がわかりました。

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 小川審査委員長が名前を呼ぶ前にチャクムルさんが立ち上がり、会場から拍手が起きてしまって、小川さんが「Please be patient!(もう少し我慢してください!)」と客席に呼びかけるという一コマも。

 改めて、ジャン・チャクムルさんの名前が呼ばれると、会場からは盛大な拍手が沸き起こりました。

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◆記者会見

続けて、ファイナリストと審査委員長による記者会見が行われました。

まずは、ファイナリスト6名のコメントです。

安並貴史さん

「ファイナルに残れた時点で奇跡的なことですが、世界のトッププレイヤーたちの演奏、人物を生で見て、世界のレベルの高さ、厳しさを知りました。6位をいただきましたが、賞をいただくようなものではないと自分では思っておりまして...でも、これから自分に足りなかったものをひとつずつ学んでいって、ピアノとともに明日からまたがんばって過ごしていきたいと思います」


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務川慧悟さん

「今、ほぼ全ての日程を終えて、とても満足した気持ちです。コンクールを受ける直前、あるインタビューで意気込みを聞かれたとき、コンクールを通じて浜松という街が特別な街になれば良いと話したのですが、ファイナルに残していただいたことで浜松に長く滞在し、真夜中や早朝に浜松の駅前の風景を眺めながら散歩したことで、このコンクールで弾いた曲と街の風景が結びついています。受ける前に宣言した通り、浜松が特別な街になったことが何より嬉しく思います。またこの街に戻ってくることがあると思いますが、その時にはこの25歳の気持ちを思い出し、またこの曲を別の機会で弾く時に、浜松の街の風景を思い出すことになればいいなと思います」

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今田篤さん

「僕は今日、本選の演奏をしたので、今はコンチェルトを弾けた喜びが大きいです。コンクールはこれまで何度も受けましたが、うまくいくときもそうでないときもあります。そんな中で今回一番嬉しかったのは、用意した曲を全部披露できたことです。今回のコンクールは、人生におけるひとつのスタートだと思うので、もっと勉強してより深い音楽を奏でられるように頑張りたいと思います」

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イ・ヒョクさん

「6人のファイナリストとしてここにいられることが、大変光栄です。浜松のコンクールに関連した人たち、マエストロ高関、オーケストラのみなさんにも感謝しています。この経験を忘れることはありません。私の音楽を最初から最後まで聴いていただき、聴衆のみなさんにも感謝しています。大変励みになりました」

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牛田智大さん

「今とても幸せな気持ちでいます。ハ長調のリストで始まり、ラフマニノフのハ長調で終わる、最も愛する曲で組んだプログラムを全て演奏できたことを嬉しく思っています。1次からここまで僕の演奏を聴いてくださった審査委員、聴衆のみなさま、このコンクールの運営にかかわってくだったみなさま、全ての関係者の方々に感謝申し上げます。

 僕にとってこのコンクールを受けるということは、これから音楽家として成長するなかで必要不可欠な節目でした。ここで第2位という光栄な賞をいただくことができ、この上ないほど幸せで、夢の中にいるような幸福感に包まれています。すばらしいコンペティターのみなさんとお会いできました。みなさんの演奏はエキサイティングで音楽的でもありました。僕自身も憧れるような演奏を聴くことができたことは、自分にとって良い経験でした。

 このコンクールの名に恥じないような演奏水準を保ち、責任をもってこれからも音楽とともに生きていけたら幸せだなと思っています」

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・ジャン・チャクムルさん

「言葉では表現できないような気持ちを感じています。6名のすばらしいピアニストとステージをともにできたことを嬉しく思います。ここで過ごした時間の中、人生で何をしたいのか、何を求めているのかを発見できたことに感謝しています。浜松のお客様、組織のみなさんがすばらしいコンクールを運営してくださいました。大変なプロセスでしたが、楽しく、人生を変える機会となりました。ありがとうございました」

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--審査を進める中で、難航したことはありませんでしたか?

小川典子審査委員長

「審査委員は仲は良かったですが、審査の感想は話していませんので、誰が何を考えていたのかわかりません。審査は極めてスムースにおこなわれました。

 今回は、この6人のファイナリストの協奏曲のチョイス、楽器の選択、4回目の演奏となる本選に臨むとはどういうことなのかという自覚、そのペース配分なども順位にかかわったかと思います。

 今、チャクムルさんが"人生を変える機会になった"と話していましたが、それこそが私たちが求めていたことです。今回は、今まで出会ったことのない演奏に多くの審査委員が共感したということでしょう。"エクセプショナル・タレント"がみつかったことで、意味のあるコンクールとなったと思います。

--審査委員長から全体の講評をお願いします。

小川典子審査委員長

360名の応募者の中から、88名の若いピアニストが演奏をしてくれましたが、その何がすばらしかったかというと、全員が心を込めて渾身の演奏をしてくれたことです。そういう意味で、何がどうなるかわからないという大激戦だったと感じています。そんな中、全員がポジティブに演奏に臨んでくれたこと、多くが浜松に残って演奏会を聴いたり、街でのコンサートに出てくれたことが、私にとっては大きな喜びとなりました。

 順位にかかわらず、6人のみなさんは、これだけの演奏会でひとりひとりのパーソナリティを存分発揮されたと思います。これからも末長く、6人みんなの演奏を聴いてもらいたいと思います。

 今回は88人全員がベストをつくし、演奏を披露したという、意義のあるコンクールだったと思います」

--本選に残ったうちの4人が日本人ということは、日本にとっては喜ばしいことかもしれませんが、国際コンクールとしてアンバランスな結果という考えもあるかと思いますが、いかがでしょう?

小川典子審査委員長

「誰が日本人たちに票を入れたのか、私たちにはわかりません。演奏だけで審査をしましたので、日本人だからということはなかったと思います。

 私が個人的な見解を他の審査委員の意見を聞く前に申し上げれば、日本人の出場者の水準、完成度は極めて高かったと思います。演奏している最中に腕をツンツンしても、弾くのをやめないだろうという意気込みが感じられるというか、侍の演奏というか。そのくらいの迫力が感じられました。課題曲の出し方にも自由なところがあり、自分のピアニストとしての資質をしっておもしろいプログラムを組んでくれたのだと思いました。それが、日本人の出場者が先へ進んだ一つの要因ではないかと感じています。全くアンバランスだと思っていません」

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≪質疑応答≫

--チャクムルさんに質問です。優勝が決まった瞬間のお気持ちは?

ジャン・チャクムルさん

「特に感情はなく...信じられないという気持ちです。音楽とともに生きていきたいと思っているなかで、このようなチャンスをもらえたことを嬉しく思っています。ソロからアンサンブル、オーケストラや室内楽と、すべての音楽を探求し続けていきたいと思っています。音楽は、多くのものをもたらしてくれるものです」

--最初の88人から24人を選ぶのは大変ではありませんでしたか?

小川典子審査委員長

「本当に大変でした。審査委員は、最後まで審査できるかなと思うほど体力を使いましたね」

--チャクムルさんが、"エクセプショナル・タレント"と言えるポイントは?

小川典子審査委員長

「これまでの浜松コンクールは、ヴィルトゥオーゾでスケールの大きな演奏をするピアニストが1位になることが多かったですが、チャクムルさんは成熟度の高い、まさに会場の空気を変えてしまう演奏をされていたと感じています。

 例えば室内楽は、楽しい装飾音を入れたことにより、完全にピアノカルテットを自分のグループにしているように見えて、印象的でした。また、みんなが指の動きの速いところを見せたいと思いがちな3次でシューベルトのソナタをもってきたのは勇気のいることだと思いますが、結果的にみんなが彼の音楽の世界に入っていくことになりました。本選にリストの協奏曲の1番を持ってきたのも珍しいケースです。そういったところが、"エクセプショナル・タレント"といえると思います。

--審査のポイントは?

「私が審査をしたポイントは、楽器のチョイス、プログラミング、そして、限られた時間の中でどれだけ本当の演奏会になっているかということでした。また、ピアノの音がどうきれいに鳴らせているかも非常に大切です。室内楽や協奏曲では、他のミュージシャンとどう関係を築いているかも見ていました。

--今田さんに質問です。前回の参加では1次まででしたが、今回はファイナルまで進みました。どこが成長したと思いますか?

「自分のことなのでよくわかりませんが、自分がどのように弾くかというよりは、作曲家がどんな曲を作って音楽を響かせたいかを自分でイメージして、作曲家への尊敬の気持ちをもって演奏するようになりました。3年前に出場してから演奏機会もいただき、コンサートを重ねていく中で、大事にしていかなくてはいけない部分が見えてきたのかなと思います」


--4人の日本人コンテスタントに質問です。どのような気持ちで本選にのぞみ、結果を待つ気持ちはいかがでしたか。そして結果を聞いてどう感じましたか?

安並貴史さん

「プログラミングの段階で、本選にブラームスの2番を置いたので、自分にできる範囲のペース配分でとにかくやろうと思って本選にのぞみました。

 僕は今回は、他の方よりは肩の力が抜けた状態で待っていたと思います。賞をいただいたこと自体恐縮で、震えるような思いです。今まで自分の心の中になかった温度の炎が灯ったので、これを大事に、明日から、今日の夜から、音楽に向き合っていきたいと思います」

務川慧悟さん

「プロコフィエフのイメージなのですが、よし、やってやるぞ!という気持ちで、今までの予選と比べても一番やる気を出す、そういうシンプルな気持ちで演奏に臨みました。結果を待っているときは僕も安並さんと同じで、ほとんど結果のことは関係ないと思っていたのですが、それより浜松を去るのが寂しいという気持ちで昨日から過ごしていました。結果を聞いた時も、これで一つ結果が出て、長い3週間が終わったという気持ちが大きかったです」

今田篤さん

「本選では僕はチャイコフスキーの1番を弾きました。今回4回目のオーケストラとの共演でしたが、毎回この上ない喜びで、本選だということより、チャイコフスキーが弾けるということのほうがうれしかったです。

 結果は気にせず、他のファイナリストのみなさんとお話ししたりしていました。ここでチャイコフスキーを弾けたことが満足でした。今は、今後もっと勉強していかないといけないという気持ちが強く、身が引き締まる思いです」

牛田智大さん

「正直なところ、本選に通ると思っていなかったので、限られた時間の準備となってあせりました。ラフマニノフの2番という、苦悩からの復活...ベートーヴェンもよくそういうテーマを使いましたが、そんな深い大きなテーマを持った作品を、すばらしいホールで、すばらしい聴衆の前で演奏できる喜びを感じて準備をしていました。結果を待っているときは、演奏が終わったことの充実感が大きかったですね。20日間のすばらしいコンクールで4回のプログラムを演奏して、コンクールに向けての準備期間で得たことが計り知れないほど大きかったので、受け止めて噛みしめる幸せな時間だったと思います。結果に関しては心から満足していますし、光栄で嬉しく思っています。

 自分がどういう音楽をやりたいのか、どういう音楽家になりたいのかを、コンクールという機会を通して考えることができたので、結果を一つの形で残すことができて充実した気分です」

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小川典子審査委員長より最後にひとこと

「今回の第10回が異例なくらいもりあがったのは、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』の効果があります。ピアノの音を文章で巧みに表現してくれたこともありますが、ピアニストたちの間には、若い出場者がいたり、次は受けられないかもしれない年齢の人がいたり、コンクールを演奏していない時にいろいろな人間模様、人間ドラマがあるということに感動をかきたてられたのだと思います。そんなそれぞれの人生が投影され、音に出てくるのではないかと思って、生で演奏を聴きたいと足を運んでくれたのだと思います。

 務川くんは駅のあたりを散歩できたかもしれませんが、私たちはずっとアクトシティの中にいました。ピアノは密室から密室の楽器で、一人で演奏し、一人でステージに立ちます。でもコンクールでは仲間ができます。私もコンクールをうけてピアニストとして活動するようになりましたが、こうして活動していると、その時の仲間に会うことがあります。そうすると、何週間かを一緒に過ごした濃密な時間を思い出します。彼らが浜松を去るのが寂しいと言っているのは本当で、彼らが再会したとき、「蜜蜂と遠雷」にあらわされているような人間としての体験が蘇ってくる。そんな時間になっていたのではないかと思います。

 今回、このコンクールが盛り上がったのは、みなさんが、彼ら一人一人にそういう感情があり、人生への思いがあることを知りたかったからなのではないか、それが音を通じて伝わったからではないかなと思います」

(文・高坂はる香)

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