NewsNEWS

2018.11.24 Official Report

【公式】 11/24 本選2日目

 ファイナル2日目、コンクールの審査も本日が最終日です。全ての演奏が終わったあと、大ホールで結果発表と表彰式がおこなわれます。本日ももちろん、チケットは完売です。

 最初の奏者となったのは、日本の今田篤さん。演目はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番です。重厚なオーケストラのサウンドの中で、気迫が伝わるような重い音を鳴らしながら、またときに軽く丸い音を響かせながら、チャイコフスキーの音楽の美を表現していきます。とくに2楽章の軽やかでロマンティックな音楽が印象的でした。

 二人目、韓国のイ・ヒョクさんは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏。こちらはまた対象的に、パワーや気迫を込めるというより、オーケストラとピアノの音を重ね、きれのよいリズムをきざみながら、ラフマニノフの音の世界を作ることを楽しんでいるような演奏。そして時折ロマンティックな表現が顔をだします。さらさらと弾いていながら遠くまで音が響いてきました。

 コンクールを締めくくる最後の奏者となったのは、トルコのジャン・チャクムルさん。リストのピアノ協奏曲第1番は、20分と短いながら、生命の輝きに溢れたような作品です。チャクムルさんはそのひとフレーズずつにおもしろみをもたせ、またオーケストラの各楽器を際立たせながらアンサンブルをして、みんなで楽しそうに音楽を奏でているように見えました。冒頭から何かおもしろいことが始まったという感じでスタートし、それが最後まで続く、鮮烈な演奏でした。

 2日間にわたる6人のファイナルステージでは、作品が全て違ったこともあり、それぞれの個性がはっきりとあらわれる演奏を聴くことができました。また、協奏曲を演奏しなれている人、そうでない人とでステージ上での緊張感も違ったようでしたし、さらには共演者がいるこうした舞台での立ち居振る舞いにも違いがありました。長い準備を重ねたあと、一発勝負の緊張の舞台でどこまで自分の力が出し切れるか。コンクールは、そうした精神力の強さも試される場所です。

 コンクールの最終結果は、3次とファイナルの演奏を考慮して決定されます。


1124010b.jpg

1124007b.jpg

《演奏後の声》

・今田篤さん(日本)



ー演奏を終えて、ご気分はいかがですか?

 長いコンクールが終わったという一つの達成感と、もう少し弾いていたかったという名残惜しさがあります。自分では、もっとうまくやるべきところもあったし、自分なりにできたところもありました。いろいろな感情が入り混じっています。

ーチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番という、オーケストラと合わせることが難しい作品を演奏する上で心がけたことは?

 オーケストラの歌っている感触をとりいれて、音楽を一緒に進めるという意識で演奏しました。チャイコフスキーの協奏曲をオーケストラと演奏するのは、4回目です。

ー浜松コンクールへは2度目の挑戦ですが、どんな思いでここまで進んできたのでしょうか?

 28歳という年齢的に、挑戦できるのは今回が最後なので、今まで勉強してきたことを地元で披露できる場だと思って、なるべくそれが伝えられる演奏にしたいと思いました。

ー前回から今回の成長はどんなところに感じますか?

 自分の成長を自分で感じることは難しいですが...。昔は先生がこういったからそう弾いてみようという、少し安易なことをしている部分もありました。でも、今はいろいろな先生たちと勉強してきたことは大切にしながら、そこから自分が本当にやりたいことを考えていくようになりました。練習でも本番でも、自分の感性を大切にして演奏するようになったのではないかなと思います。

ー今後の目標は?

 楽譜を見て自分が共感したことを、聴衆の方々と共感しあいたいです。自分が作り出すというよりは、作曲家の書いたことを自分の中に通して、お客さんと共有していきたいと思います。

ー3次までは験担ぎに、靴下や中に着ているものは全部同じにしているといっていたけど、今日もですか?

 今日はコンチェルトなので、さすがにシャツは違いますが...でも、他はハンカチまで全部一緒です!

1124011b.jpg
1124008b.jpg

・イ・ヒョクさん(韓国)



ー演奏を終えて、ご気分はいかがですか?

 まず、全部の演奏がおわって、とてもうれしいです。明日のガラコンサートが終わったら1日休みですから。

 今日の演奏は、オーケストラがとてもすばらしく、こんなに難しいコンチェルトもうまく演奏できるようにしてくださいました。良いチームワークで演奏できたと思います。

ーこの作品を選んだ理由は?

 ラフマニノフは、パガニーニの主題による狂詩曲をいれて5曲のコンチェルトを書いています。今まで、2番とパガニーニを弾いたことがありましたが、3番がやはり、人生の中でももっとも好きな作品といえます。

 パデレフスキコンクールでは2番を弾いて優勝できましたが、今、レパートリーを広げなくてはと思って、第3番を演奏しました。

ーあなたにとってコンクールとは?

 フェスティバルのようなものです。88人という多さは初めてですが、そうやってコンペティターがたくさんきて、みんなが音楽を楽しんでいます。私も他の人の音楽を楽しんでいます。一人一人がコンサートを弾いているようで、コンクールのような気分ではありません。

ーピアニストとしての目標は?

 聴衆とコミュニケーションできる、本物のピアニストになりたいです。自分に対して演奏しているピアニストもいますが、僕が目指すのは、誰かの心に響くような、深い瞬間に触れるような演奏ができるピアニストですね。

1124012b.jpg
1124009b.jpg

・ジャン・チャクムルさん(トルコ)



ー演奏を終えて、ご気分はいかがですか?

 大きなホールだというのに、驚くほど心地よく弾けました。こういう会場では音を後ろまで届けなくてはいけませんが、ここでは大丈夫だとわかっていたので冷静でした。集中も十分できましたし、オーケストラのみなさんと心を合わせて弾くことができて、まるで室内楽といっていいくらいでした。

ー3次の室内楽のモーツァルトは、装飾音をいれてとてもセンセーショナルな演奏をされていました。

 僕は、20人くらいまでの室内アンサンブルで弾くのが大好きです。モーツァルトでの装飾については、マストであって、他の選択肢はないと僕は思っています。

 モーツァルトにとって、ピアノは自分で弾く楽器でした。そのため、弾くべき音を全て楽譜に書いたわけではありません。フレーズを繰り返す時は装飾音を加えたり、ダイナミクスを変えたりすることは習慣でしたから、やるべきことだと思います。それを評価していただけてありがたいです。

ー浜松の聴衆の前で演奏した気分は?

 特別すぎて、言葉で説明できません。浜松のお客さんほどあたたかくサポートして迎えてくれる、そして全ての演奏者を心を込めて聴いてくれる方々に出会ったことはありません。ステージで弾くということは難しい仕事で、集中も運も必要です。そんななか、僕たちの努力を理解してサポートしてくださっている。音楽家にとって、これ以上の贈り物はありません。

ーチャクムルさんのリストの演奏は、何かが始まるなという感じで始まって、それが最後まで通されて楽しかったです。曲が短すぎてもっと聴きたかったくらいです。

 そうなんですよ! 一つ残念だったのは、あの曲、あと5分でいいからもう少し長ければいいのにということで(笑)。

 マエストロ高関との共演は本当に楽しかったです。彼のすばらしい判断で、トライアングルの方はピアノの後ろに座っていたんですよ! このコンチェルトで、トライアングルはソロの楽器みたいですから、どこか遠くから聞こえてくるよりずっといいよね。

 リハーサルがはじまる前、最初トライアングルの方は普段通りの後ろのほうにいたんだけど、マエストロが、ここ、僕の隣に来てっていったんです。そのときのトライアングルの彼女の、「わたしー!?」みたいなリアクションが、すごくかわいかった(笑)。

(文・高坂はる香)

Hamamatsu International Piano Competition

pagetop

主催

  • 浜松市
  • 浜松市文化振興財団

特別協賛

  • ANA
  • 大和証券
  • 遠鉄グループ
  • JR東海
  • KAWAI
  • Roland Foudation
  • 三立製菓株式会社
  • YAMAHA

後援団体

外務省、文化庁、静岡県、公益社団法人日本演奏連盟、一般社団法人日本音楽著作権協会、一般財団法人地域創造、 一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)、浜松商工会議所、公益財団法人日本ピアノ教育連盟、 時事通信社、産経新聞社、日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、朝日新聞静岡総局、静岡新聞社・静岡放送、 中日新聞東海本社、NHK静岡放送局、静岡朝日テレビ、静岡第一テレビ、テレビ静岡、株式会社音楽之友社、 月刊ショパン、K-mix、FM Haro!、浜松ケーブルテレビ株式会社、株式会社河合楽器製作所、株式会社ピアノギャラリー、 ローランド株式会社、ヤマハ株式会社

〒430-7790 静岡県浜松市中区板屋町111-1 公益財団法人浜松市文化振興財団内
TEL:053-451-1148 / FAX:053-451-1123
MAIL : info@hipic.jp URL : http://www.hipic.jp

Copyright © Hamamatsu International Piano Competition. All rights reserved.
  • Alink-Argerich FoundationAlink-Argerich Foundation
  • World Federation of International Music CompetitionsWorld Federation of International Music Competitions
Copyright © Hamamatsu International Piano Competition.
All rights reserved.
Powerd By Ultraworks

pagetop