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海老澤敏運営委員長インタビュー

2009年11月20日|トピックス

コンクールから生まれる才能に期待。個々が芸術に価値を見つける社会へ


海老澤敏運営委員長---さまざまなコンクールの運営に携わられているお立場から、浜松コンクールの特徴をどうご覧になりますか?
 今回で第7回、すでに20 年近く続いているコンクールということで日本ではすでに稀有な存在だと思います。さらに、海外のさまざまなコンクールで審査をされている中村紘子審査委員長の豊富なご人脈のおかげもあって、海外から著名な先生方が審査委員として名を連ねていることも特徴のひとつだと思います。また、ここで発見された才能が、すぐ後に大きなコンクールで賞を獲るという点から見ても、古い歴史ある海外のコンクールとは異なる状況でありながら、それらのコンクールとほとんど肩を並べているという、ユニークな存在であると思います。


---幅広い年齢層のコンテスタントの演奏を実際に聴かれて、どのような印象ですか? 音楽解釈にも差があるのではないかと思いますが。 
 興味深いですね。ピアノが現在のメカニズムとなって1世紀半ほどが経ちましたが、実際にはこの楽器で、現代音楽から近代、そして今とはピアノの造りが異なったロマン派や古典派の音楽までを演奏しなくてはならないわけです。このように広いレパートリーを求められるのは、ピアノ以外の楽器のコンクールではなかなかないことですから大変ですよね。指が回れば演奏できてしまうので、その意味では少々酷な楽器と言えるかもしれません(笑)。


---若い頃から文学や哲学、音楽史に興味を持って音楽性を育むべきだろうと思うと同時に、それより一心不乱にピアノに打ち込んでいるようでないと著名なコンクールでは技術的に通用しないのではないかと思うほど、若いコンテスタントの技術には目を見張るものがあります。
 確かにすごい訓練が必要ですから、実際には読書などしていられないかもしれません。しかし逆に、その人自体がある程度の段階に達していないと、いろいろな知識をつけても熟していくこと自体が難しいと思います。ですから若いうちは知識に頼らず感覚的、本能的でもいいのかもしれません。ただ、これは審査委員の先生方によっても、どのような教育観を持って臨まれているのかでご意見は違うでしょう。


---混沌とした現代社会の中で、芸術はどんな力を持つのでしょうか? コンクールから生まれる若い才能がもたらす音楽に、どんな期待をすることができるでしょうか?
 コンクールが花盛りであった20世紀を過ぎて、21世紀は反省の時期に来ているのではないかと思います。しかし競い合うという文化はギリシアのオリンピックが生まれた神話の時代からあることですし、どちらが優れているのかということは人間誰もが知りたがることですから、芸術で競い合うことはあっても良いことなのではないかと思います。あとは、個々の人々が、芸術が好きだという想いとともに、創作活動をするなり、鑑賞をするなり、それぞれ価値を見つける社会となっていけばよいと思います。ただ、世の中がビジネス化している現代、作曲家名が商標になることもあるくらいで、芸術がお金に結び付けられてしまう傾向が20世紀後半には世界中で蔓延してきてしまいました。偉大な作曲家たちがこの現象を苦笑いして見ているならばまだ良いですが、怒っているのではないかと、ときどき心配に思いますね(苦笑)。

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