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日本人作曲家に聞く

2009年11月17日|トピックス

第二次予選の重要なポイントとなった日本人作曲家による委嘱作品では、さまざまな解釈による演奏が聴かれた。全ステージが終了したということで、二人の作曲家による講評と曲の解説をご紹介する。 

「楽譜を見る視力が求められます」
西村 朗
西村 朗さん ---演奏を聴かれていかがでしたか?
この作品は、演奏家が楽譜を読みとるセンスと、その多様な要素をどう生きた形で織りあげるかが大切です。それに敏感に反応している方、形のみを捕らえている方、また楽譜と違うことを弾いている方もいました(笑)。演奏によって伝わり方がすごく変わりますね。
---ピアノコンクールの作品ということで注意された点は?
いろいろなアプローチから多様な結果を生じせしめる作品になるようにしました。それと、自分の癖で指が音を選んでいくことを避け、最初に音列を決めることで、自分の音感では普段使わない音もあえて採りいれました。ピアノという可能性豊かな楽器を通して、自分の新たなテイストの目覚めを確認しましたね。
--- 奏者によって『白昼夢』の解釈もそれぞれだったようです。解説にあった「前世の記憶と来世の予見」の
言葉からすると、東洋的な輪廻の観念と関わりがあるのでしょうか。

白昼夢とは、白日、陽が燦々と照る中、歩きながら幻想を見るというもの。現実以上の現実として生々しく
存在している。ですから演奏は鮮烈でなくてはいけませんし、眠っていてはいけません。人間は遺伝子の連
続体の一部として、時空を超えて存在している。白昼夢を引き起こすのは、過去の記憶や、未来の予兆かもしれない。そういう意味では、キリスト教的な死生観とは違う、東洋的な観念が近いですね。
---そういった解釈に辿り着くのは難しいことですね。
僕は「楽譜を見る視力」と言うのですが、この力のある人には、見えないことが見えて、ときにすごい演奏が生まれます。視力の悪いピアニストには、記号がそのままの意味しか持たない。現代音楽は情報が複雑化していますから、ますますの視力の良さが必要です

 

「世界中に鐘を鳴らしてほしい」
権代 敦彦
権代 敦彦さん --- 第二次予選で、アレッサンドロ・タヴェルナさんが『ピアノのための《無常の鐘》』を演奏しましたが、お聴きになっていかがでしたか。
まさか暗譜で弾くとは思いませんでした。新しい作品を弾く時は譜面を見るものだと思っていましたからね。演奏には、譜面を見て弾く場合と、暗譜で弾く場合があり、それぞれに意義のあることです。暗譜で弾くということは身体表現、譜面を沁み込ませてアウトプットする。この場合、楽譜は、ある意味台本です。一方、譜面を見て弾くということは、もう一度読み直しながら弾いていくことです。タヴェルナさんはすばらしかった。期待以上です。グリッサンドも上手かった。ただ、ちょっと欲を言えば、美しすぎたかな。
---ショーン・ケナードさんも先生の曲を選んだ一人ですが、「フォルムを出すのが難しい」と言っていました。
ショーン・ケナードさんは本質をついていますね。フォルムというのは一番大事なこと、フォルムが描き出 せなければ音楽になりません。
---譜面の冒頭で拍子が1小節毎に減っていますが、その意味するところは何でしょうか。
だんだん詰まっていく鐘の音のアタリ(衝撃音)、オシ(安定した音高)、オクリ(鳴り終わり)という、鐘を撞いた後に音量が減っていく変化、そこからイメージする時間が縮小していくことをも表現しているのです。これは作曲の一番の原理として据えた、原理中の原理です。
--『- ピアノのための《無常の鐘》』を選んだ出場者に、何かメッセージはありますか。
レパートリーにしてください。そして、自分の国に持ち帰って、世界中に鐘を鳴らしてください。

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