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第3次予選最終日

2009年11月19日|トピックス

 第3次予選は2日しかないため、2日目の今日は、もう結果発表のある日だ。会場内を見渡せば、予選通過を果たせなかった出場者たちの姿もちらほら。あいさつを交わすと、「今日は誰の演奏を聴きましたか?」と聞いて来たり、「誰はどうでした?」と、一緒に競ったコンテスタントの行く末を見守っているようだ。きっと彼らにも次の幸運が訪れると信じたい。

 本日、最初の演奏者はチャン・ソンさん(韓国/23才)。リストの愛の夢 第3番 変イ長調 「おお、愛しうるかぎり愛せ」のうっとりするような音楽で観客を自分の世界に導き入れた後、リストのピアノ・ソナタ ロ短調、チャイコフスキーの「四季」では11月、12月とちょうど季節を合わせ、そしてストラヴィンスキーの「ペトリューシュカ」からの3つの断章まで一気に私たちを魅了した。チャイコフスキーはどのコンクールでも常連のように多くの人が弾いていたのに、今回のコンクールで気づいたのだが、めっきり弾く人が減った。クラシックにも流行があることに驚かされる。

 2人目は加藤大樹さん(日本/19才)。周到にリストの編曲物を中心としたレパトワ(repertoire)を組み立てていた努力が実って、会場はさながらオペラ鑑賞に来たかと思うほどだ。加藤さんは19歳の若さながら、聴いてもらいたいイメージをしっかり持っている人だ、その個性をずっと大事にしてもらいたいと思う。若々しい音も新鮮だった。

 3番目に演奏したのは、尾崎有飛さん(日本/20才)。この日のセレナードは誠実な、どこまでも誠実な、そして清楚な音に心が洗われて、尾崎さんに新たな魅力が加わった。ベートーヴェンのピアノ・ソナタの後、そしてメトネルの主題と変奏の後にステージを下がったが、前曲の雰囲気を切り替えるのに効果的で、リストのスペイン狂詩曲が際立った。
 
 4人目は、ホ・ジェウォンさん(韓国/22才)。尾崎さんのセレナードで感傷的な気分を引きずったまま、いきなりクライスレリアーナを聴いたので、今日はどの出場者も観客を泣かせにかかっているかと思う程、心をゆすぶられる日となった。武満徹の雨の木 素描Ⅱ-オリヴィエ・メシアンの追憶-は、本人のお気に入りの曲と聞き、興味を持って聴いた。最後のリスト/ヴォロドスのハンガリー狂詩曲 第13番は、表現力のジェウォンさんというイメージに加え、テクニックでも卓越した才能を見せつけた。

 

7 チャン・ソンさん(韓国/23才)
チャン・ソンさん -リサイタルの組み立てが素晴らしかったですね。
 ありがとうございます。
-あなたがなぜ長い髪なのか、よくわかりましたよ(笑)。演奏中、ステキです(笑)。
 これはですね、僕は今ドイツに住んでいるんですが、いい美容室がないんです(笑)。
 あまり上手くないんですよ。しかもちょっと高いし(笑)。今度、日本で切って帰ろうかなと思っております。
-私は切らないほうがいいと思います(笑)。会場でも長い髪がすてきねと言っている女性がいましたよ(笑)。
 少しだけ切ります(笑)。

 

32 加藤大樹さん(日本/19才)
加藤大樹さん -一度もステージから引っ込みませんでしたね。
 引っ込むとしたら、バルトークの後かなと思いましたが、そのままの雰囲気を保ちたかったので、そのまま拍手の後、演奏を続けました。
-グラズノフのピアノ・ソナタに感動しました。
 ありがとうございます。
-加藤さんの聴かせたい曲の流れが良く伝わってきました、思いは観客に通じたと思います。
 嬉しいです。


 
64 尾崎有飛さん(日本/20才)
-2曲目にセレナーデが始まった時、美しい演奏で感動しました。
 セレナーデは上手く出来たと、私も思っています。
-ベートヴェンのピアノ・ソナタの後、尾崎さんがステージを下がってそれからセレナーデに入ったので、私たちも心の切り替えが出来ました。
 メトネルの後もバックステージに下がったのですが、最初は下がるつもりはなかったんですが、拍手の後そのまま下がってしまいました。
-メリハリが効いてよかったのではないでしょうか。リサイタルとしての構成が良かったですし、最後のスペイン狂詩曲も尾崎さんのテクニックが冴え渡っていました。
 ありがとうございます。

 

29 ホ・ジェウォンさん(韓国/22才)
-いきなりクライスレリアーナから始まりましたね。私を泣かす気ですか(笑)?素晴らしかったです。演奏を終えて、いかがですか?
 2パート飛ばしてしまったんですよ。お客様に申し訳ないです。
-演奏が素晴らしかったので、気にしていないと思いますよ。
 そうでしょうか。
-大丈夫です、それに飛ばした演奏でも既に1時間を過ぎていました。もし飛ばしていなかったら、ベルが鳴ったと思いますよ(笑)。私たちは最後まで演奏を聴けてよかったです。
 (笑)
-あなたのお友だち、ユン・ホンチョンから「僕のエネルギーを彼に送ってください」と、メッセージを預かってますよ。演奏前にエネルギーをお送りできなかったので、このエネルギーは本選に取っておいてください(笑)。
そうだといいんですが…。
〔最初元気がなかったジェウォンさんが、次第に元気になってくれました。〕 

 

最後から2人目の奏者となったのは、エルマール・ガサノフさん(ロシア/26歳)。シューベルト=リストのワルツ・カプリス、リストの『メフィスト・ワルツ』、メトネルの『若者のためのロマンティックなスケッチ』、そしてシューベルトのピアノソナタという、多彩な表情の作品を選択。悲しげな表現は分厚い悲壮感を出し、逆に遊び心のあるパートも力強くリズムを刻んでかわいらしい表現。最後のメフィスト・ワルツは、跳ねる音と美しい高音で非常に魅力的な音楽だ。ステージの外での、シブい顔にはにかんだ笑顔のイメージとは、演奏中はまるで別人のようだ。大きな拍手に、3回ステージに呼び戻される。

ついにセミファイナル最後の演奏者。キム・ヒョンジョンさん(韓国/18歳)。ベートーヴェンのピアノソナタ第26番『告別』と、ヴァインのピアノソナタ第1番、ラヴェルの『鏡』より『悲しい鳥たち』、シューマンの『謝肉祭』を演奏。鮮やかな紫のドレスに紫の髪飾りで登場。美しく、華やかな音が魅力的な彼女。師であるチュンモ・カン氏が世界初演をした作品だというヴァインのピアノソナタ第1番は、潔くかっこいい、安定した表現に魅了された。豊かな音で、フレッシュながら貫禄のある、落ち着いた音楽を聴かせた。彼女もステージ外でのかわいらしい雰囲気と、ステージ上の姿にギャップのある人だ。

セミファイナルすべての演奏が終了した。いよいよ、頂上決戦が始まる。

 

20 エルマール・ガサノフさん(ロシア/26歳)
エルマール・ガサノフさん ─今日の気分は?
これまでで最悪でしたね(笑)[なぜかゲラゲラ笑っているガサノフさん……]。理由はわからないんだけど、全てが良くなかった。なんだか疲れていて。練習をしすぎたのかもしれない。
─さまざまなタイプの曲を選びましたね? 演奏中はそれぞれの作品で考えていることは異なるのですか?
そうですねえ、プログラムはなんとなく選びました。いつもステージではただ全力を尽くそうとしているだけなんだけど、いつもそうはうまくいかなくて。でもできることを全部しているだけですね。
─本番の前に肉は食べられました?
うん!
─次のステージのラフマニノフ楽しみにしていますよ。
うん……そうなればいいね、でもどうだろう……。

 

36 キム・ヒョンジョンさん(韓国/18歳)
キム・ヒョンジョンさん ─演奏はいかがでしたか?
シューマンではけっこうミスをしてしまったので、残念です……。でもとりあえず3次予選のステージが終わって嬉しいです。このステージが一番辛かったですね。休みなく1時間のステージですから、本当に大変でした。
─ヴァインの作品を選んだのは?
先生が韓国で初演をしたのです。彼がこの作品を薦めてくださいました。

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