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第1次予選2日目

2009年11月10日|トピックス

 順調に滑り出した第7回浜松国際ピアノコンクールの、今日が2日目だということが不思議に感じるのは、出場者たちの熱い演奏が次々に繰り広げられているためだろう。前日17人の演奏を聴いただけでも出場者のレベルは高いことを実感、まだ第1次予選なのかと驚かされる。

 2日の一番バッターは佐藤元洋さん(日本/16才)、浜松国際ピアノアカデミー第5位、アジア国際音楽コンクール中学生部門第1位など、既にコンクール受賞歴はあるが、本格的な国際コンクールは今回が初めての挑戦。現在、東京藝術大学音楽学部付属音楽高等学校の1年生だ。シューマンのトッカータ ハ長調を弾いたところは、シューマンの第1人者である伊藤恵先生の生徒であれば当然といえるかもしれない。実は佐藤さん、静岡県出身で、地元で国際コンクール初挑戦となった。

 第2ブロック目(14:50~15:50)はマリー=エレン・トランプさん(カナダ/26才)の演奏から始まった。ベートーベンのピアノ・ソナタ 第11番は、これぞピアノの音といういい響きの音だった。ショパンのバラード 第1番ト短調を弾き終わってホッとした笑顔がすてきだった。

 6番目の演奏者はクセーニア・モロゾワさん(ロシア/24才)。前回も出場しているので、既に浜松ではおなじみの存在になっている。最後に弾いたハンガリー狂詩曲 第2番嬰ハ短調には力が入っていた。熱演中、タイムオーバーのベルが鳴り、演奏を中止するよう促されたが、そのまま演奏を続行し最後まで弾き終えた。

 ディナーラ・クリントンさん(ウクライナ/20才)は、前回ディナーラ・ナジャーフォヴァとして出場、奨励賞を獲得した。再挑戦の今回、さらに表現に磨きがかかっていた。指がピアノから離れる瞬間を大事にし、全神経を集中しているように見受けられて、その成果が音に確実に現れていた。ベートーベンのピアノ・ソナタ 第24番の演奏を感動して聴いたが、その後のリストのハンガリー狂詩曲 第6番変ニ長調はさらに圧巻だった。名前を変えての出場に並々ならぬ決意を感じる。

 エカテリーナ・グメニュクさん(ロシア/20才)は第4ブロック(18:30~19:50)最後の演奏者だったが、本人は最終ブロック(20:10~21:30)と勘違い。動揺を抑えての演奏となった。そのため、演奏直後は何か自分を責めるような悔しさの入り混じった表情だったが、ロシアから一緒に来ている母親に会うと鎮まった。メンデルスゾーンのロンド・カプリッチョーソ ホ長調を演奏、この曲を弾くのは彼女だけだ。

 サムソン・ツォイさん(ロシア/21才)はカザフスタンで生まれたが、父親は韓国人で母親がロシア人。とても社交的な明るい人だ。演奏に選んだのはヤマハ、とても気に入っているのだという。そのお気に入りのピアノで弾いたハイドンのピアノ・ソナタ 変イ長調が印象に残った。リストのメフィスト・ワルツ 第1番も渾身の力を振り絞って演奏した。その熱意が通じたのか、若干タイムオーバー気味に感じたがベルは鳴らなかった。

 アン・スジョンさん(韓国/22才)は、二人の姉が音楽を楽しんでいたのを毎日聴いていた。ある日片手だけでピアノを弾いていたのを親が聴いて本格的にピアノを習わせることにしたのだそうだ、5~6才のことだった。リストのハンガリー狂詩曲 第6番変ニ長調が印象に残った。

 ウェイ・チェさん(中国/24才)は、2年前バイク事故で右手を負傷、昨年くらいからようやく右手を使えるようになった。それまでは左手のみの練習を繰り返していたという。今回演奏したバッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻ハ長調とショパンのバラード第4番は初めての披露だったので、少し不安だったというが、聴いていてそんな風には感じられなかった。ピアノを始めたのは7才の時、父親がクラシック音楽が好きだった。来年から、師事している伊藤恵先生のいる東京藝術大学へ留学することが決まっている。そのため、もっか日本語を勉強中。
 

72 佐藤元洋さん(日本/16才)
-どうですか、一番に演奏。緊張しませんでした?
 そんなに緊張はしませんでした。
-ピアノを始めたきっかけは何だったのですか。
 姉がピアノをやっていたんです、ヤマハ音楽教室を見に行った時、人前で弾くのはいいなと思ってはじめました。幼稚園の年中くらいだったと思います。
-今日はシューマンを弾いてくれましたね。
 先生が伊藤恵先生ということもあるのですが、なにより僕自身ロマン派が好きなので、ショパンも好きです。
―第3次予選でショパンを弾きますね。
 ピアノ・ソナタ第3番は弾きたいなという気持ちで準備してきました。

 

84 マリー=エレン・トランプさん(カナダ/26才)
-とてもいいピアノの音でしたね。
 審査員の先生に演奏を気に入ってもらえるといいんだけど(笑)。
-演奏直後のせいか、疲れた様子ですね(笑)
 とっても!今日の夜、ホテルでマッサージを頼むわ(笑)。

 

57 クセニア・モロゾワさん(ロシア/24歳)
クセニア・モロゾワさん ─演奏を終えていかがですか?
 途中で演奏を止められてしまって! とっても驚いたわ。もう、ほとんど最後のページだったのに。曲の途中で止めてしまったら、なんの印象も残らなくなってしまう。私は聴いてくださっている聴衆のみなさんのために弾いているつもりなので、最後まで弾きました。
─あと10秒くらいでしたもんね。
 そうなの。驚きました。
─真っ白いドレスはプログラムに合わせて?
 いいえ、今回のステージは全部このドレスで演奏します。最近の演奏活動はいつも白い衣装にすることにしていて、白いパンツやシャツなど、とにかく白で統一しているんです。
─浜松に戻ってきた気持ちは?
 気分が3年前とぜんぜん違うんです。3年が経って、私は成長しました。たくさんの演奏活動をしてきましたし。だから、まったく違う視点からこの街、このコンクールを見ることができて、とてもおもしろいんです! 今日はとても演奏を楽しみました。聴衆もピアノの音響もホールも。
─ところで、今24歳ということは、前回のコンクールのときはまだ21歳だったんですね! あの頃からすでにすごく大人っぽかったですが!
 そうですか(笑)。それは、たぶん人生経験のせいね!

 

41 ディナーラ・クリントンさん(ウクライナ/20才)
-お久しぶりです。今回名前を変えての挑戦ですね。
 はい、私の名前は覚えてもらいにくいので思い切って変えたんです。
-今回の演奏も前回にも増して素晴らしかった、期待できそうですね。
 そういってもらえると嬉しいです。
〔濃紺のドレスが清楚なディナーラさんです〕

 

24 エカテリーナ・グメニュクさん(ロシア/20才)
-時間を間違えてしまったということですが...。
 (残念そうに)まさか7時半からの演奏とは思いませんでした。どうして勘違いしたのかよくわからないんです。
-ピンク色のドレスがすてきですね。
 叔母が私のために作ってくれたものなんです。
〔となりで母親が心配そうに見守っていました。〕

 

86 サムソン・ツォイさん(ロシア/21才)
-演奏はいかがでした?
 時間オーバーしてましたよね、そう思いませんでした?
-ええ、私もちょっとオーバーじゃないかと思いました(笑)。
 ですよね。でも鳴らなかったので、安心しました。
-コンクールの印象はいかがですか?
 とてもいいです。事務的な管理が行き届いていて、ビザを取るのも一度も頼まないうちにちゃんと用意してくれました。練習室も素晴らしいです。

 

4 アン・スジョンさん(韓国/22才)
-韓国からアイルランド王立音楽アカデミーって、珍しくないですか?
 韓国で行なわれたミュージックキャンプで、J.オコーナー先生に会って、この先生に教えてもらいたいと思いました。ちょうど高校を終えた時で、次の学校を探していたので、すぐに決めました。
-韓国の音楽家は歌えるところが素晴らしいんですよと亡くなられた山岡優子先生にお聞きしたことがあります。
そうですね、韓国人は感情豊かかもしれません。

 

89 ウェイ・チェさん(中国/24才)
-右手の回復具合はどうなんですか?
 まあまあですね(笑)。
-来年から、師事している伊藤恵先生のいる東京芸大へ留学するということは、佐藤元洋さんと同じ先生ですね。
 そうですね、彼は弟です(笑)。
-今回中国からの出場者が少なかったようですが、どう思います?
 うちの学校から15人DVDテープを送ったんですが、僕一人しか受かりませんでした。
-では、北京中央音楽院を背負っての登場ね。
 国際コンクールは今回が初めて、先生に勧められたんです(笑)。コンクールへの挑戦はきっといい経験になると思います。
〔前向きなチェさんだ。〕

 

45 ナタリア・クチャエワ(ロシア/26歳)
ナタリア・クチャエワさん ─演奏を終えていかがですか?
 できる限りのことは出せたと思います。朝まではとても気分も調子も良かったんだけど、ステージに出る直前になったら急に緊張してきてしまって。ステージでもとっても緊張していたの。でも、会場に夫と、今日本を旅行中の妹夫婦が来ていて、家族が聴いていてくれたの。私にとってはこれがとても大きくて、おかげで少し落ち着くことができました。
─浜コン参加を決めた理由は?
 それには実は偶然のいきさつがあって。長い話になるわよ(笑)。私はモスクワとルツェルンの学校で先生についているんですが、週末にレッスンのためにスペインからルツェルンに行こうとしていたら、先生から金曜日に急にキャンセルの連絡があって。航空券もキャンセルしなくちゃいけないので、かなりがっかりしたんです。結局、1週間長くスペインにいることにして、土曜日の朝、のんびりインターネットをしていたら、浜松コンクールのことを見つけたの! もう、それが応募締め切りの3日前! 前から浜コンは受けたいと思っていたのに忘れていたんです。これはとてもいいチャンスだって、翌日にすぐ録音をして、申し込み書類を書いて送りました。慌てていたからものすごく汚い字だったと思う(笑)。でも、人生で起こることって、どんなことも、よりよい何かのためにあることなんだなってつくづく思いました。おかげで今日本にいるんだから! 結果がどうであれ、ここにいられるだけでとても嬉しいです。
─ホールやピアノはいかがですか?
 ホールは響きもいいし、聴衆がたくさんいて嬉しかったです。まるでコンサートみたいでした。ピアノ選びのときは、日本に到着したばかりでとても疲れていたんですよね。3台はどれもすばらしかった。中でも、私にとってとても弾き心地がよかったカワイのピアノを選びました。ピアノ選びのとき夫が会場にいなかったからどう聴こえるかまで確認してもらえなかったので、自分で一番弾きやすいものを選んだんです。
─旦那さまは音楽家なんですか?
 はい、ピアニストなの。そんな夫と、妹が会場にいるのはとても心強いですね。でも妹夫婦はこのあと京都に行くの。私はもちろんいけないけどね!

 

 

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