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小川典子 審査委員長あいさつ

2023.08.04

 

2020年から3年間余り、世界が思いもかけぬ多くの出来事に見舞われました。どんな厳しい状況のなかにおいても、音楽芸術はこれからも存在し続けることを信じて、皆様へ、ご挨拶申し上げます。

日本製ピアノの生まれ故郷で行われる浜松国際ピアノコンクールが、第11回の無念を乗り越え、晴れて2024年11月に第12回を迎えることになりました。コンクール開催にむけてお力添えくださる多くの皆様に、深く御礼を申し上げます。

2023年5月、浜松市と浜松国際ピアノコンクールは、アクトシティ浜松にてWFIMC国際音楽コンクール世界連盟総会を主催いたしました。世界中の国際コンクールとの会議は大成功に湧き、HAMAMATSUが国際舞台に返り咲いたことを強く印象づけました。この勢いに乗り、第12回のコンクールは、新しい時代を担う国際ピアノコンクールにふさわしいものになることでしょう。

世界に誇るHAMAMATSUが、新しい世代を担う音楽家たちが求める、その特徴をご紹介いたします。

浜松国際ピアノコンクールは、出場者一人ひとりにベストを尽くして頂くための会場作りからピアノの調整、そして出場者を舞台へ送り出すためのサポート体制に定評があり、どのコンクールにも勝るものと考えております。第1次予選から生演奏でしっかり聴きたい、と言う姿勢をつらぬき、約100名の応募者に参加していただける準備が出来ております。このことが、最終的に、より信頼できる結果につながると言う信念を持っております。第2次予選では、猿谷紀郎氏作曲の委嘱新作に加え、各ラウンドのレパートリー表に邦人作品を入れ、日本ピアノ界に名を刻む名曲をお楽しみいただけるようにいたしました。

審査員は、会期中すべての演奏を聴かせていただきます。第12回も、世界的ピアニスト、深い見識を持つ教授、音楽業界最前線に立つエグゼクティブ、浜松国際コンクール優勝者、現役で活躍中の優秀な音楽家、全員が国際コンクール審査経験の豊富なメンバーで構成いたしました。より確かな、より公平な審査をめざし、真剣に演奏に向かい合うことをお約束いたします。

また、HAMAMATSUで入賞をしたら直ちにプロフェッショナルとして演奏活動を始めて頂けるよう、そして自分の手でピアノの道を切り開いていけるよう、演奏会やCD録音など、はばたきのお手伝いのための体制づくりも強化しております。

コンクール期間中は、浜松市の皆様にご協力いただき、地域活動も開催いたします。21世紀の音楽家にとって、コミュニティと連携する場は、音楽づくりの大切な活動範囲です。皆様には、優秀な才能を間近にお楽しみ頂く絶好の場をご提供できると確信しております。そして、コミュニティと連携する場は、多くの出場者にとって、音楽家としての存在意義を認識できる、素晴らしい場となります。

心のこもった「浜松のおもてなし」に支えられ、出場者たちは、輝くような演奏をつぎつぎと披露してくれることでしょう。ピアノの音色の祭典を、皆様と共に味わいたいと思います。

第12回浜松国際ピアノコンクールが、多くの出場者にとってピアニストとしての飛躍の機会になるよう、そして、世界中の音楽ファンの皆様と、ともに音楽を楽しむ喜びと感動を共有できる機会になりますことを、心から願っております。