浜コン スピン・オフ

僕が演奏順を変えた理由

2012年11月18日 | 浜コン スピン・オフ

「あなたはプログラムに書かれている演奏順と、実際に演奏した順番が違いましたね」

これは、私が必ずプログラム通りに演奏しなかったコンテスタントにする質問です。もちろん、プログラム通りに演奏しなければいけないということは、決してないのです。ただ、コンクール・レポートを書く際に、まだクラシック音楽に詳しくない方がプログラムを見ながら聴いたりしたら曲名と実際の音楽を取り違えるということもあるかと、老婆心ながら変更した演奏順を記すようにしています。

順番を変えたコンテスタントにその理由をたずねると、たいていの人は、

「申請する時に間違えたんです」とか、「プログラムはそうなってたの?知らなかった……」
といった、深い理由がないことがほとんど、「演奏の流れを考えて、変更した」という人も何人かいらっしゃいました。

ですが、イリヤ・ラシュコフスキーさんは違っていました。

「それを話すと長くなるのですが……」とおっしゃるのです。

そう言われたらますます知りたくなります、その理由!

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ラシュコフスキーさんは、浜松に入って、第1次予選で自分の弾こうとしていたショパンのポロネーズが違っていることに気が付きました。彼が弾こうとしていたのは、Op.53、

ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」です。さっそくコンクール事務局にその旨を伝え、変更を申し出ましたが、「変えられません」という返答だったそうです。

プログラムにあったポロネーズは、第13番 変イ長調、彼はその曲を前に見たことも弾いたこともありませんでした。

それで演奏順は、まずそのポロネーズを弾き、次にバッハの平均律 第1巻 変イ長調、最後にシューベルトの即興曲で情緒豊かな演奏をと考えました。本当は 「英雄」で最後を華やかに終わりたかったのですが、ポロネーズ 第13番ではいまいちインパクトに欠けるので、最初に持っていかざるを得なかったのです。

 

それにしても、浜松に来てからポロネーズ 第13番を仕上げ、演奏したのですから、お見事というほかありません。

「だって、ポロネーズ 第13番はショパンが10歳の時に作った作品で、大人が弾くというより、子供が弾くものですから(笑)」

だったら、尚更、お子様向けのポロネーズを弾いても第1次予選を通過、そしてさらに第2次予選も通過したのは、やはりすごいことです。

それにしても気になるのは、プログラムの曲名が違っていたこと。コンクール事務局の手違いだったとしたら、変更してあげなかったことが気になります。その話をすると、

「間違えたのは、僕の方です!」と笑顔で答えてくれました。

みなさま、コンクールに応募する時は曲名をお間違えの無いように!

*インタビューをした11月17日は、ラシュコフスキーさんの28回目の誕生日でした。

 心よりお祝い申し上げます。

 

角田珠実

 
 
 
 
 
 
 

 

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