誰が為に鐘は鳴る
なにもアーネスト・ヘミングウェイの小説について語ろうというのではありません。
第一次予選に限って言えば、各自が演奏するのに与えられている持ち時間は20分。これを過ぎますと、審査委員長の方から鐘(ベル?)が鳴らされます。これはどのコンクールにもよくあることです。実際は少しくらいのタイムオーバーならば待ってくれているようです。20分以内で演奏曲目を構成するというのも一つの条件ですし、何よりもコンクールを円滑に進めるというのが第一の目的と思われます。
8日、イブラヒム・ヤジさんがリストのメフィスト・ワルツ第1番を演奏中、残念ながら鐘は鳴ってしまいました。実際こういう状況になると、演奏する側も聴いている側もちょっと驚いてしまいますが、これは第一次予選に落ちたということではないのです。確かに一生懸命弾いているのを、それもあと少しで弾き終わるというところで中断されるのは本意ではないかもしれません。でもこれも一応ルールですからご理解いただきたいと思います。
ちなみに鐘は鳴っても決勝に行ったコンテスタントを以前取材したことがあります。やはり鐘が鳴った直後は絶望的になったそうです。イブラヒムさんもステージでちょっと呆然としていましたから、会場でイブラヒムさんを見かけたら「ドンマイ!」とでも声をかけてあげてください。
ところで、みなさんは審査委員長のもとにある鐘を実際に見たことはありますか?音は聞いたことはあるけれど、実物を見たことがないという人、意外と多いのではないでしょうか?
それでは、どうぞご覧ください。
さて、無事に第一次予選初日が無事に終了いたしました。
印象に残った演奏はありましたでしょうか?コンクールの面白さは、同じ曲をいろいろな人の演奏で楽しめるということです。初日に聴いた曲が2日目以降に今度は他の人の演奏で聴ける、そんな楽しみも日々増していきますので、コンクールをおおいに楽しんでいただきたいと思います。
角田珠実







